ご依頼経緯
不動産管理会社様より孤独死が発生し原状回復まで任せたいとご連絡をいただき、つくば市の賃貸マンションにて特殊清掃作業、ご遺品整理作業、原状回復工事を行いました。若者にも孤独死はあり得るとコラム記事に書かせていただいた事がありますが、今回は大学生の孤独死でした。コロナ禍の真っ最中。学校はオンライン授業。進学で見知らぬ土地に来て、友人はおろか知り合いのいない状況を考えると大変胸が痛くなる現場でした。
現場状況
筑波大学が近くにありスーパーや本屋さんなど学生には住みやすい地域での特殊清掃。 ご依頼時は故人様の年齢はうかがっていなかったものの大学生ということが分かりいつも以上に胸が痛い現場となりました。 広めの1DKはすっきりと片付いており日当たりのいい明るい室内でした。 窓際床に倒れるような形でお亡くなりになっていて死後3カ月経過とのことさらに死因は餓死だったようです。 冷蔵庫の中には中身が全くないマヨネーズのケースと岩塩のみ。 コロナが流行りだし学校はオンラインになっているさなかの出来事です。 地元から離れアルバイトで生計を立てていた学生さんたちにはコロナ禍はつらい時間だったことでしょう。

施工
室内消毒を行い体液除去後、ご遺品整理を行います。 今回は管理会社様の意向で床の貼替に加えキッチンの交換、クロスの貼替、僧侶によるご供養が行われました。

今回はフローリングの上にフロアマットが施工されていたのでフロアマットを取外し、隙間から漏れた体液を洗浄消毒、コーティングを施しました。 臭気の元を完全除去後オゾン脱臭を行い原状回復工事へと進みます。

原状回復工事後はフロアマットの色味を変えたこともありシックな落ち着いた雰囲気になりました。今回はご遺族様のお立合いはなく管理会社様と弊社スタッフのみで現場供養を行いお引渡しとなりました。 孤独死は高齢者のみに起こりうるものと考える方は多いと思いますが、決してそんなことはありません。若い方のほうが近隣とのつながりは少なくなってしまう傾向があります。 進学や就職で地元を離れ頼れる人がいない場合も決して少なくはありません。 連絡が取れないとき、ご高齢であれば何かあったのではないかと気に掛けることも多いでしょう。 しかし、若い方の場合はバイト中なのかな?遊んでいるのかな?としばらく連絡が取れなくてもさほど気にしないことも多いのではないでしょうか。 まだ、未来のある若い方の孤独死は残念でなりません。社会とのつながりの希薄さや気軽に助けを求めにくいこの世の中を私たち大人が変えていかなければと考えさせられる現場となってしまいました。
ご依頼内容詳細
ご依頼者:不動産管理会社様
場所:茨城県つくば市
作業時間:特殊清掃・遺品整理1日、脱臭3日
作業人数:3名
建物:マンション3階 1DK
費用:250,000円(税別)※部分解体費込み ※リフォーム工事費別途