職場で労災事故が起きたら、どうすればいいのでしょうか。救急や警察への通報、労基への報告、労災保険の手続きなど、やることは山のようにあります。そんな中、いち早く事業を再開するためには、事故が起きた現場を清掃しなければなりません。しかし、事故を目撃した従業員に清掃を命じられますか? 労災事故の現場は血液や肉片などが機械などに付着しており、一般の方が抵抗なく行うことは難しいはずです。
本記事では、労災事故が起きてしまった場合の対応手順や、私たち特殊清掃業者の清掃作業の流れなどについて解説します。
目次
労働災害はいつ起こるかわからない!
一般の人にとっては、労災事故はあまり身近なものではないかもしれません。しかし労災事故は年数千件の単位で発生しています。
労災事故とは
労働災害(労災)とは、労働者(従業員、社員、アルバイトなど)が労務に従事したことによって被った負傷、疾病、死亡などのことです。
具体的には、工場で作業中に機械に巻き込まれて怪我をしたり、建設現場での高所作業中に転落して死亡したりするような事故です(最近では、いわゆる「過労死」や、セクハラ・パワハラなどによる精神障害なども労災と判断されるようになりました)。
出典:労災による死傷者数・死亡者数の推移(労働政策研究・研修機構)
労災発生件数が多い業種
労災事故は、業種によっては発生頻度が高くなります。
次のグラフは、厚生労働省の2022年の労働災害死亡数の統計から、業種別の件数内訳を表したものです。
この統計によれば、2022年の労働災害の死傷者数は2002年以降で最多でした。これは高齢者が増えていることが背景にあると言われています。
具体的な労災の内容を見ていくと、「転倒」「動作の反動・無理な動作」「墜落・転落」「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」「激突」「交通事故(道路)」といった事故がありますが、中でも製造業における、下記のような「はさまれ・巻き込まれ」は過去最多となっています。
「はさまれ・巻き込まれ」の事例
- 横中ぐり盤に腕が巻き込まれる
- 積荷降ろしの際、トラックと停車場の間にはさまれる
- トラック下で作業中、床面にはさまれる
- フォークリフトのフォークと地面との間に手をはさむ
- ボール盤での穴あけ作業中、手袋が巻き込まれる
- 樹脂混練機のスクリューに巻き込まれる
- クレーン作業中、手の指をはさまれる
- 樹脂粉末のプレス成型作業に手をはさまれる
- 製麺機の清掃中、カット箇所に指が挟まれる
- 箱詰機に手が挟まれる
- マンホールの蓋と地面の間に指をはさむ
- インパクトドライバー使用中、手がドリルに巻き込まれる
- フォークリフトと壁の間に挟まれる
- テールゲートリフターとゲートの間に挟まれる
- Vベルトに手指を巻き込まれる
- 車いすのリフトと地面の間に足の爪先を挟まれる
- パレット台車の車輪に足を挟まれる
- 車両系建設機械のシリンダーとアタッチメントの隙間に指を挟まれる
- 搬送用コンベアの清掃中、手が巻き込まれる
- 菓子生地練りローラーに手指が挟まれる
- 簡易リフトに頭をはさまれる
- 首に巻いたタオルが小型チェーンソーに巻き込まれる
- 値付け機のテープ交換作業中、手が巻き込まれる
- 加工鋼材の突合せ中、指をはさまれる
- 食肉加工用ミキサーの刃に巻き込まれる
- ベルトコンベアの修理作業中に手がはさまれる
- アウトリガーフロートの補強鋼板に手を挟まれる
- ごみ収集車の車両点検中、テールゲートに挟まれる
- プレス機械に右手をはさまれる
- 防寒頭巾の裾がローラーに巻き込まれる
- 製綿機の掃除中に手を巻き込まれる
- 食器の洗浄作業中に指をはさまれる
- 壁紙プリント機の移動フレームに腕をはさまれる
- ミキサーの攪拌フックに手が巻き込まれる
- 鉄扉とドア枠との間で手指がはさまれる
- バックホーのキャタビラに足がひかれる
- 空調機用大型屋外機のファンに巻き込まれる
- スパナの柄と床との間で指をはさまれる
- 手動で閉めた自動ドアに手がはさまれる
- ゴミ収集車の回転板に巻き込まれる
- 車のドアが風で突然閉まり、手がはさまれる
- 誘導中に電信柱とトラックの間にはさまれる
労災事故が起きた際の対応手順
では、実際に職場で労災事故が起こったら、会社はどんな対応をしなければならないのでしょうか。時系列順に解説します。
手順1:被災者の救護と二次被害の防止
職場で労災事故が起こったら、まずは被災者の治療と二次災害の発生防止が最優先です。重大災害の場合は救急車の出動を要請したり、警察に通報したりすることも必要になるでしょう。警察の指示に従って被災者のご家族に連絡をすることもあります。
被災した人は最寄りの労災指定病院等に搬入し、治療を受けてもらうことになります。
手順2:労働基準監督署への報告
また、会社は労働基準監督署に労働者死傷病報告書(被災者の重篤度によって2種類の様式があります)の提出をはじめ、治療費が労災保険から支払われるように手続きを進めなければなりません。虚偽の報告を行ったりした場合は刑事責任が問われたり、業務上過失致死傷罪等に問われたりする可能性があります。
労災指定病院等での被災者の治療費は、病院から労働基準監督署に請求することになるので、患者は支払いの必要がありません(労災指定病院等以外で治療した場合は、治療費は患者が立て替え、後日患者に現金が支給されます)。
手順3:警察・労基署による現場検証
一方、警察に通報すると、かけつけた警察が現場検証が行います。
このため通報後は現場に立ち入ることを控えなければなりません。勝手に清掃したりすると事故原因の隠蔽を疑われる可能性があります。
事故現場は、労働基準監督署の調査や警察への事情聴取、遺族への説明も必要になってくるため、正確に保存しなければなりません。
労働基準監督署の監督官が立ち入り、業務上過失死傷事件として警察も捜査を行い、どのような経緯で事故が起こったのか(発生原因)、法令違反の有無などの事実関係を調査し、安全衛生管理の内容等を確認します。
なんらかの不法行為や安全配慮義務違反などが原因で事故が起こった場合は、労働基準法上の補償責任とは別に、被災者から民法上の損害賠償請求がなされることもあります。
手順4:現場の現状回復
現場での業務再開を行うために清掃などを行います。事故によって壁や床が破損していたり、機械が壊れてしまっている場合は、それらを修繕する必要にあるでしょう。
それらが完了すると、ようやく業務を再開することができるでしょう。
手順5:再発防止策の策定
災害発生の事実関係が明らかになったら、最終的には、同じような災害を繰り返さないように再発防止対策を講じることになります。直接的な原因だけでなく、間接的な原因にも目を向けて、どうすれば災害を防止できるか、未然に防げるかを検討します。
労災事故現場の清掃は専門家に依頼すべき
前項の「手順4」で説明したように、事業を再開するためには現場を「清掃・消毒」しなければなりません。
一般の方には事故現場の清掃は難しい
労災事故現場は、例えば機械の挟まれ事故や巻き込まれ事故、高所からの落下などの場合、大量の出血跡が残ったり、場合によっては身体の組織の一部が残ってしまっていることがあります。
従来は従業員や機械のメーカーなどが清掃を行うことが多かったと思いますが、言うまでもなく、そうした作業は相当大きな精神的負担を与えますので、おすすめできません。
ではどうしたらいいかというと、私たちSweepersのような特殊清掃業者にご相談いただくべきなのです。
特殊清掃の専門家
私たちSweepersは特殊清掃という業務を行っている会社です。
特殊清掃とは、事件や事故、自殺等の変死現場の現状復旧業務を行うことです。
一般的には、独居死・孤立死・孤独死のように遺体の発見が遅れ、遺体の腐敗・腐乱などによってダメージを受けた室内を原状回復させる仕事というイメージが強いと思いますが、私たちの現場は、必ずしも孤立死した方などの住居に限りません。労災事故現場の原状回復も、私たちの仕事の領域なのです。
現在、労働災害事故の清掃に対応できる特殊清掃業者は、私たちSweepersのみです。
労災事故の原因は、機械による挟まれや巻き込まれ事故、重量のある物の落下などですから、現場での作業には危険も伴います。そのため、私たち以外にはそもそも対応できる業者がおらず、事例も乏しいため、対応できる業者が少ないのが現状なのです。
Sweepersの清掃作業の流れ
私たちに労災事故現場の清掃をご依頼いただける場合、次のような流れになります。
ステップ1:ご相談の内容をお伝えください
労災事故発生後、関係各所にご連絡したら、なるべく早く私たちにご一報ください。お電話0800-808-8855、またはメールフォームやLINEからご連絡ください。
私たちの電話は、事務員でなく、実際に様々な現場で作業を行うスタッフにフリーダイヤルがつながります。お待たせすることなく、その場でご相談内容にお答えできます。
電話対応した者がお打ち合わせから施工完了まで対応しますので、必要な情報が抜け漏れてしまうトラブルも起こらないので、ご安心ください。
ステップ2: WEBリモート打ち合わせ
リモートWEBツールを使用して、下記のようなご要望や現地状況を詳しく把握し、最適な作業プランをご提案します。
・事故現場の状況(写真などで確認)
・ご希望の作業日
・作業時の注意点、お願い等
・お引渡し時の状況
ステップ3: お見積もり・ご契約
お見積もりの内容・金額をご確認後、契約書に捺印していただき、作業日時の調整をしてご契約となります。
事業活動に支障が出るなど緊急対応が必要な場合でも、休日・夜間・早朝に受け付けております。
ステップ4: 現場状況の確認、最終お打ち合わせ
お伺いした内容と現場状況に相違がないかを確認し、事故状況や今後の使用目的に応じて、作業範囲の最終確認をしていただきます。
ご依頼者様が立ち会うのが困難な場合は、事前に作業現場の鍵をお預かりし、作業可能です。
必要に応じて他の従業員様から私たちの作業が見えないように簡易的な間仕切りを組立設置します。
ステップ5: 洗浄・消毒
事故が起きた場所の血液、体液、肉片等を取り除き、細部まで洗浄していきます。
例えばプレス機の事故であれば、機械から取り外して再分解し、細かな場所まで取り残しがないように作業します。
現場にご遺体の一部が残されていた場合、ご遺族様からご希望があればお渡しさせていただくことも対応いたします。
洗浄作業が完了後、消毒作業を行い、ご要望があればその後消臭作業を行います。
ステップ6: ご確認・ご精算
すべての作業が完了しましたら、現場をご確認いただき、お引渡しとなります。
ご清算は後日郵送またはメールにてご請求書を送らせていただきますので、後日お振込みください。
お客様からいただいた貴重なご意見をもとにサービスを充実させるためにアンケートへのご協力をお願いしております。スタッフの励みになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
労災事故現場の清掃にかかる費用
孤独死などによる住居の原状回復作業とは異なり、労災事故現場の特殊清掃料金は、一概にいくらぐらいということが難しいです。なぜなら事故の状況により費用が大きく異なるためです。
このため、料金についてはお見積もりをご依頼ください。
事前に現場の状況を写真や図面にて確認し、作業の内容をご提案します。
緊急度が高い場合は、お見積金額をご確認いただき次第、即日作業に入らせていただくことも可能です。
Sweepersでは、緊急対応・即日お見積もりが可能です。お見積もり後の不透明な追加費用の請求など一切ありませんので、安心してご依頼ください。
Sweepersの労災事故現場清掃事例
最後に、実際に私たちSweepersが特殊清掃を実施した事例をご紹介しましょう。
茨城県某所の工場の管理職の方からのご依頼で、現場は金属加工工場でした。
- ご依頼者:工場職員
- 場所:茨城県某所
- 作業内容:血液肉片除去消毒
- 作業人数:4名
- 建物:金属加工工場内
労災事故の内容
労災事故の内容としては、重さ数トンもある動力プレス機の作業中に挟まれたとのことで、被災者はお亡くなりになったそうです。
工場業務を再開するにあたり、事故が起きた機械もすぐに使用しなければなりませんが、事故を目撃し、仲間を亡くしてしまった機械の清掃を自分たちで行うのは精神的にきついとのことで、私たちにご依頼いただいたという経緯でした。
特殊清掃の作業内容
作業内容としては、あらかじめ取り外した動力プレス機に付着していた血液、体液、肉片を除去しました。すぐに使用開始したいとのご要望でしたので、細部まで徹底的に確認作業を行いました。
プレス機のメーカーさんや工場の皆様にご確認いただき、最後に消毒を行って作業完了となりました。
これまでは、このような事故が起きた際には社員さんやメーカーの方が血液の除去を行うのが当たり前だったとのことでしたが、ご遺体の損傷もひどかったため血液量も多く、社員さんたちがこの作業を行うのは精神的にかなり厳しいと思われました。
労災事故現場の特殊清掃事例はこちらのページでも紹介しておりますので、参考になさってください。
労災事故現場の特殊清掃事例一覧
スイーパーズのコメント
こちらの事例では、床に置かれたプレス機本体からはおびただしい量の血液と肉片、また脳内の一部が残っている状況でした。
プレス機には凹凸が多く細かな隙間にも血液や肉片が入り込んでおり、血液の量も多く、血生臭い臭いが広がっていました。
私たちのような専門業者でなければ、とても清掃などできないと思われる現場でした。
労災事故現場の清掃はSweepersにご相談ください!
労災事故が起こってしまったとき、現場の清掃を引き受けてくれる業者があることをご存じなかった方も多いと思いますが、本記事をお読みになって、私たち専門業者に依頼したほうがいいことを理解していただけたと思います。
私たちSweepersは、工場事故や重機の事故、落下事故などのあらゆる労災事故も対応可能な唯一の特殊清掃専門業者です。
もし、不幸にして労災事故が起こり、現場を清掃しなければ業務が再開できないなどのお困りごとがある場合は、ぜひ私たちにご相談ください。
迅速な対応が求められる場合でも、緊急対応として駆けつけております。
もちろん、事故が起こらないことが一番ですが、死亡事故だけでなく、幸いにしてケガで済んだ事故における血液除去や消毒など、お困りの際は相談いただければ幸いです。
Sweepersは24時間365日、全国対応・即日対応する特殊清掃業者です。
初めての依頼であっても、メールなどでお気軽に相談でき、適切な料金で多くのお客様にご満足いただいております。
工場や作業現場で事故が起こると、作業・生産ラインのストップにつながってしまうため、できるかぎり早期に復旧しなければなりません。
このような労災事故現場の復旧作業は、社内の従業員または保守メンテナンス業者が行ってきました。
しかし、同僚・仲間の事故を間近で目撃した他の従業員は、それでなくとも精神的な衝撃を受けており、生々しい事故の痕跡を清掃することは難しいと思います。保守メンテナンス業者にしても、普段見ることのない大量の血液や肉片などを清掃することは難しいと思います。
私たちスイーパーズは、様々な特殊清掃現場で培った技術と迅速な対応で、皆様に代わって事故現場の清掃を行います。
工場や作業現場における労災事故の最大の課題である作業・生産ラインの再開を少しでも早く行えるようにすることに重点を置いたスムーズな対応をお約束します。
お急ぎのケースでも即日対応できるよう尽力しております。
その他、清掃だけでなく以下のようなこともご依頼いただけます。
- 原状回復工事
- ウィルス除菌・消毒(感染症対策)
- ゴミ屋敷清掃
- 家財整理(遺品整理・生前整理・空家整理)
- 犬・猫屋敷清掃
- 水災害復旧
- 火災現場清掃
- その他、解体工事、リフォーム工事、鳶工事など