ご自宅の片づけや遺品整理をご家族で行う際に“処分に困ってしまうもの”があるかと思います。 自治体のごみ集積所に出すことができない物はどう処分したらいいのでしょうか? また集積所に出せない物とはどのようなものがあるのでしょうか? 今回の記事では、お客様からご相談の多い【処理困難物】についていくつかの物を事例に解説していきたいと思います。
目次
一般家庭から出てくる処理困難物とは?
家庭や事業所などから排出される廃棄物は多種多様で、なかには大きすぎて運搬や破砕しにくいものや、処分の過程で引火や感染、有害物質の発生などの危険を伴うものもあります。家庭から排出される一般廃棄物は原則、市町村の責任で処理が行われることとなっています。しかし、技術や設備等の面から市町村で適正に処理を行うことが困難な廃棄物は「適正処理困難物」と言い、処理困難物と簡単にいう場合もあります。なお、「適正処理困難物」は通常、一般廃棄物についてのみ使用されます。お客様からご相談の中でも物置から出てきたものの処分方法が分からないから依頼したいというケースも多くあります。一般家庭で出てくる可能性がある処理困難物とはどのようなものがあるか下の図にまとめてみました。
私たちの会社のある茨城のような地方ですと車は一家に一台どころではなく一人一台なんてことも珍しくありません。毎年ではないにしても雪が積もることもあり冬用タイヤ“スタットレス”が物置や玄関先にあるお宅も多いのではないでしょうか。また、ガーデニングや畑に使用する除草剤や害虫駆除薬などが自宅にあることは珍しくありません。みなさんのご実家やごじたくはいかがでしょうか?
タイヤの処分方法について
必要のないタイヤは保管スペースも取り重く可能であれば処分したいと思う方も多いのではないでしょうか。タイヤは自治体で行っているゴミ集積所には出すことができず、地域のクリーンセンターでも改修を断られてしまう場合がほとんどです。先述の通り、ゴムやワイヤーといった素材を組み合わせているタイヤは、自治体での廃棄処分が困難であるため、環境省が「適正処理困難物」に指定しているからです。
では、タイヤを処分したいと思った場合どのような方法があるでしょうか。
- タイヤ販売店やカー用品店に持ち込み処分依頼する
- カーディーラー等に持ち込み処分依頼する
- ガソリンスタンドに持ち込み処分依頼する
- 弊社のような一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者に依頼する
タイヤ販売店やカーディラーなどで処分する場合、新品タイヤの購入を行った方限定などといったこともあるため予め電話確認を行ってから訪問することをお勧めします。また、処分金額についても新規購入を行う場合は無料、そうでない場合は有償と店舗によることが多いようです。
皆さんが利用しやすいのはガソリンスタンドでしょうか。ガソリンスタンドでもタイヤ交換などを行っていることが多いため、タイヤの処分依頼ができることがあるようです。ただし、車検や修理を行っていて従業員が常にいるような大きなスタンドのみと限られてしまいます。また、大手のスタンドでも地域差があり必ず引き受けてくれるとも限らないため、事前の確認は必須となりそうです。
一般廃棄物収集運搬業者に依頼する方法は皆さんが重い思いをしながらタイヤを運ぶことなく電話一本で改修に来てくれることが魅力ではないでしょうか。金額に関しては弊社の場合1本1,000円程度処分費としていただいております。タイヤの状態によってはお買取りすることも可能なので、買取可能かどうかも業者さんに確認することをおすすめいたします。※不用品回収業者にタイヤ処分を依頼する際、一般廃棄物の収集運搬業許可を持っている会社かをご確認ください。山や空き地に廃タイヤを不法投棄されてしまう可能性があります。
すでに触れていますが、タイヤの処分には原則費用が発生します。
特に下記の項目に当てはまるタイヤは買い取りが難しく、廃タイヤになり有償処分になるケースが多いようです。
・タイヤとして寿命を迎えている
・製造年週が古い
・使用済みに加えて4本そろっていない
・ひび割れが多い
タイヤの交換時期は、道路交通法にて溝1.6mmと定められています。
溝がなくなることで事故の発生率も高まるためトレッド面にある「スリップサイン」が見えているタイヤは、基本的に売却が難しいでしょう。また、スリップサインとは別に「製造年週」で寿命を判断する方法もあります。
新品であっても、タイヤ側面に刻まれた4桁の数字「週+年」が10年程度経過していると、一般的に寿命を迎えているといえます。
たとえ、外部に傷・ひび割れが見られなくても、紫外線や雨によって内部が劣化している可能性が高いからです。
走行距離が少ないタイヤであっても、製造年週やスリップサインなど、さまざまな目安から廃タイヤとして処理される可能性があることを留意しておきましょう。
寿命を機にタイヤ交換をしている場合は、はじめから「処理費用が発生する」と考えて新しいタイヤを購入するのが無難です。
消火器の処分方法について
万が一の火事に備えて消火器を備えている家は多いのではないでしょうか。消火器は、平成17年よりリサイクルすることが義務付けられており、自治体にごみとして処分することができません。ではどのように処分したらいいのか詳しく解説していきます。
- 特定窓口で処分を依頼する
- 指定取引所に持ち込んで処分してもらう
- ゆうパックで回収を依頼する
- ホームセンターで下取りに出す
特定窓口で処分を依頼する
特定窓口とは、日本消火器工業会が『防災・防犯事業者』または『販売代理店』に消火器の保管や回収を委託した場所のことです。全国に約5,200ヵ所ほどあり、持ち込みまたは回収をお願いすると処分ができます。
特定窓口の場所は消火器リサイクル推進センターのホームページにて確認可能です。処分の際にはリサイクルシール代と消火器の保管代が必要で、回収を依頼する場合は別途で運搬費がかかります。
場所によっては回収依頼ができない場合があるので、事前の確認は必須です。
指定取引所に持ち込んで処分してもらう
指定取引所は全国に約200ヵ所あり、日本消火器工業会が指定した場所で『消火器メーカー営業所』や『廃棄物処理業者』が役割を担っています。
指定取引所は、自分で持ち込む代わりに運搬費がかかりません。消火器の保管代は指定取引所によってはかからない場所もあります。
注意点を挙げるとしたら、指定取引所の中にはリサイクルシールを取り扱っていないエリアがあることです。持ち運んだらすぐに処分してもらえるよう、事前にシールの購入をおすすめいたします。
ゆうパックで回収を依頼する
自宅付近に特定窓口や指定取引所がない場合は、ゆうパックを利用して消火器の回収を依頼するのがおすすめです。消火器リサイクル推進センターのホームページ内にある『ゆうパック専用コールセンター』に電話予約することで申し込みができます。
ゆうパック窓口で依頼をすると、自宅に消火器を発送するための専用BOXが届きます。専用BOXに消火器を梱包し発送すれば処分してくれるので、あまり手間がかかりません。
ただし、ゆうパックは個人の方(家庭用)のみ対象となっており、法人での利用はできませんのでご注意ください。また、離島など地域によってゆうパック利用が対象外の場合もあるので問い合わせの際に確認をしてみましょう。
ホームセンターで下取りに出す
多くのホームセンターでは、新しく消火器を購入すると古い消火器を無料で下取りしてくれるサービスを実施しています。「要らない消火器を処分後に新規購入を検討している」という方には打ってつけの方法です。
ただ、新規購入したからといって必ず下取りしてくれるわけではありません。消火器の種類や状態によっては引き取り不可となることがあるのでお気を付けください。
また『処分する消火器と同じ本数・大きさのものを購入すること』といった下取り条件を提示している店舗もあるので、店員に聞いてみましょう。
消火器の処分費用はいくらくらい?
消火器を処分するには残念ながらリサイクル費用がかかります。特定窓口や指定取引所などでリサイクルシールを購入して消火器に貼り付ける必要があるからです。
ただし、消火器がリサイクルの対象となった2010年1月以降に販売されているものには、最初からシールが貼られているため購入の必要はありません。つまり2009年以前に販売された消火器を処分する場合のみ、リサイクルシールを購入しなければいけないということです。
リサイクル費用以外にも、処分方法によって保管費や運搬費などがかかってきます。消火器の大きさによって費用が変わることもあるので、事前にしっかりと費用を把握しておきましょう。
特定窓口の処分費用
消火器を特定窓口にて処分する場合は、リサイクルシール費用以外に保管費がかかります。自分で特定窓口まで持ち運びせず回収を依頼する場合は別途で運搬費が加算されます。
リサイクルシールの費用は業者によって前後しますが、1枚約500~550円ほどです。特定窓口まで持ち運んでも1本約1,500円前後で回収してくれます。
特定窓口の業者に自宅での回収を依頼すると運搬費込みで約2,000~3,000円ほどになります。小型の消火器であれば1,000円前後で処分してくれることもあり大きさによって様々です。
特定窓口で処分する場合の費用相場 | 1,500円前後(持ち運びの場合) 約2,000~3,000円(回収を依頼する場合) |
指定取引所の処分費用
指定取引所は特定窓口とは異なり保管費は必要ありません。また、自分で消火器を引取所まで運ぶため運搬費もかからずに済みます。ですので、指定取引所で処分する時の費用はリサイクルシール費用のみ(約500~550円)となります。
「費用を最小限に抑えたい」という方におすすめですが、指定取引所は全国に約200ヵ所ほどしかありません。指定取引所がない県もあるので、事前に消火器リサイクル推進センターのホームページで場所を確認しましょう。
なお、ゆうパックを利用して処分する場合は、送料も含めて約2,000~2,500円ほどが相場となっています。
指定取引所の処分費用相場 | 約500~550円 |
いかがでしたか。 今回は処理困難物の中でも特にお客様宅から多く出てくるタイヤと消火器について解説させていただきました。簡単に購入できてしまうにもかかわらず処分が難しく物置にいくつも溜まっているなんて方がいらっしゃれば今回の記事を参考にしていただきご自宅のお片付けを行ってみてください。重たい、量がたくさんある、車がないなどの理由でご自身での処分が難しいようであれば私どもの会社にご連絡いただければ回収に伺わせていただきます。
次回はそのほかの処理困難物について解説記事を更新させていただきます。