乾燥している季節になると連日のように火災のニュースを耳にします。特に、真冬は民家火災から工場火災情報まで速報で見聞きしたため、火が燃え広がる様子を目の当たりにすることも多かったですよね。
火災被害はご自身の自宅で発生する火災のほかにも、近隣の民家、近くの工場や店舗からなど、距離や風向きの影響で、近隣住民にも大きな被害をもたらすことがあります。
そこで今回の記事では、
- もしあなたの家で火災が発生した場合の初期対応は?
- もし工場や店舗、職場などで火災が発生したら企業の取るべき対応は?
この2点に焦点を充てて解説していきます。
1つの記事で「自宅の場合」と「職場の場合」に分けて考えていくので、万が一の時に備えてぜひ熟読してみてくださいね。
目次
自宅が火事になったらまずやるべきことは3つ
火災が発生すると「逃げる」ことが何よりも大切な行動です。
一戸建てでも集合住宅でも逃げ遅れることのないよう、避難経路は事前に確認しておきましょう。
特に階数の高いマンションは火災時のエレベーター使用はもってのほかです。
非常階段、非常パッチ、消火器の位置など、最低限の使い方や場所をシミュレーションしておくことが必要です。
さらに、火災時は「煙」を吸ってしまうことが最も危険と言われ、一気に吸い込むことで呼吸困難になってしまうことさえあります。
それでは、火災発生の避難時の注意点を3つ紹介していきましょう。
冷静に行動を
火事、地震など想定もしないような状況がいきなり発生すると、誰でも冷静に行動はできないものです。
しかし日頃からの避難訓練や自主的なシミュレーションを常々行ったり、家族内での話し合いをしておくことで極力冷静に行動できるものです。
避難するときは、すぐに担ぐことのできる避難用具の場所を定期的にチェックすることも大切ですよね。
また、災害は突然発生するため、日中のように家族が別々の場所にいる間に災害に合うことも考えられます。
このような場合の家族間の連絡方法、集合する避難場所も事前に把握し共有しておくことで、万が一の際に適切な行動をすることができます。
避難時のエレベーター使用はNG
エレベーターは早くて上下階を行き来できる優れものですが、非常時は別ものと考えましょう。
火災時のエレベーターは安全のため途中停止し、乗車中にこのような状況に遭遇してしまうと閉じ込められてしまい非常に危険です。
火災時の避難は大変でも非常階段を使い、素早く行動をすることが必要です。
口元、鼻を押さえて煙を吸い込まない
火災で最も気を付けるべきは炎よりも煙と言われています。なぜなら煙を吸い込むことで一酸化炭素中毒になってしまうからです。
火事で人が亡くなる原因は「火に焼かれ焼死する」と思われがちですが、最も多いのは「煙に含まれる
有毒ガスを吸い込み中毒で亡くなる」ことです。火事の煙には一酸化炭素(CO)などの有毒ガスを多量
に含み、煙を吸い込むことで最初はめまい、吐気、頭痛から次第に手足がしびれて動けなくなり、その後、
意識を消失し、最後は死に至ります。また、有毒ガスに含まれるCOは空気中の酸素より速く体内へ取り込
まれるため、気がついた時には中毒となり動くことが出来ず、意識があるまま焼死することもあります。
避難時の適切な逃げ方は、
- 口元と鼻を濡れたタオルやハンカチなどで押さえる。
- なるべく低姿勢を保ちながら素早く逃げる
この2つに注意しましょう。
煙は上に上昇していく性質を持っており、低い位置の足元側の方が新鮮な空気に保たれています。
火災の初期消火の3原則を覚えておきましょう
火災発生の初期消火は、早さに尽きるものはありません。
具体的には、「早く知らせる」、「早く消す」、「早く逃げる」が初期消火の3原則とされています。
早く知らせる
火災を素早く周辺住民に知らせましょう。
火事だ!と大声を出したり、やかんや鍋などを使っておたまで叩くことが効果的に火災を知らせることができます。
また、119番通報も忘れずに行いましょう。
早く消す
初期消火は火災発生から3分以内とされています。
水や消火器、布団などを使い、ご自身でできる範囲で周りと協力しながら消火活動をします。しかし、絶対に無理はせず火の燃え広がりが止まらない場合はすぐに止める判断をしましょう。案外忘れがちなのが窓を閉めるといった行為。窓を開けた状態にしておくと酸素供給量が増えあっという間に炎が大きくなってしまいます。
早く逃げる
消火活動が難しいと判断した場合はすぐにその場から離れ避難してください。
何より大切なのは人命になります。
初期消火とは完全に火を消すことではなく、火災を最小限に抑えることが目的なので、間違った解釈をしないよう覚えておきましょう。
職場が火災になったら
同じ建物で複数の社員が働いている職場が火災になってしまうと、社員だけでなく近隣住民や取引先にまで影響を及ぼします。
そのため、日頃から社員教育の一貫で防災訓練や初期消火の研修をしておく必要もあるでしょう。
まずは火災になったらどのような行動をするべきなのか解説していきます。
パニックにならず、まずは次の4つのステップ順に行動しましょう。
- 消防へ通報
- 防災センター等へ連絡
- 初期消火
- 避難誘導
消防へ通報
普段間違えないようなことでも突然予想もしない状況に遭遇すると、どうしてもパニックに陥ってしまうものですよね。
ましてや火災ともなると尚のことでしょう。
まずは火災を発見したら消防へ通報しましょう。消防は「119」になります。他の通報ナンバーを間違って連絡しないようまずは落ち着いて119へ火災の旨通報します。
その際、職場の住所、通報者のお名前、また近くにどんな目印があるのかなどを聞かれるはずです。
より正確に伝えることで一刻を争う事態でも早めに消防車が到着することもできるので日頃からシミュレーションしておきましょう。
防災センター等へ連絡
建物内に防災センターの設置がある場合は火災発生の旨防災センターにも連絡します。
防災センター内には消火器の設置などの防災用具のほか、怪我人を応急処置できる救護セットも常備しています。
さらにテナントビルの場合、他の店舗にも火災の旨を知らせることができ、その役割も防災センターが役割を担っています。
初期消火
火災を最小限に抑えるためには初期消火での対応が重要になります。
例えば、消火器の使い方が分からなければ、もたついている数分の間で火は一気に天井まで燃え広がってしまうでしょう。
火の消火では、出口を背にした状態で室内を消火します。間違えても出口に向けて消火活動しないよう気をつけてください。
また、消火の際の姿勢は低姿勢で、火からの距離も確保しながら消火しましょう。
あまり火から近距離になると危険なため安全を確保しながら消火活動してください。
消火活動は一点集中ではなく、左右に動かしながら消火していきます。ほうきで履くようなイメージだと分かりやすいでしょうか。
避難誘導
初期消火をする人と避難を誘導する人を決め、手分けをした上で他の従業員やお客様を避難誘導します。
火災時は煙を吸い込むことによる一酸化炭素中毒に陥る恐れがあるため、ハンカチやタオルなどで口と鼻を抑え、上に上がる習性を持つ煙が比較的広がっていない低い位置を保ち避難をしていきましょう。
この流れを万が一のときにパニックにならないよう進めていく方法は、日頃からの定期的な防災訓練になります。
企業は様々な災害を想定し、マニュアルを作り、備蓄を維持し、いつ起こるか分からない災害にも準備しておかなければいけません。
またそれは、企業努力だけではなく従業員1人1人の意識改革も必要になるでしょう。
火災現場の復旧手順
消防による消火活動が鎮火した後は建物の復旧をしていかなければいけません。
近隣住民への影響を考えると、復旧作業は消火後なるべく早めに行なうべきとされています。
では具体的な火災現場の復旧手順を紹介していきましょう。
手順は大まかに4つに分かれています。
- 火災による残留物の仕分けや撤去
- 必要な場合は内装解体
- 煤の除去
- 消臭作業
火災による残置物の仕分けや撤去
消防によって完全に鎮火した後は、家財などの残置物が燃えがらとなり、さらには消火活動のために水を使用するため水浸しとなっておりそのままの状態で残っています。
火災現場が自宅でも職場でも自分たちで鎮火後の建物に入り、家財の分別を行うのは非常に危険なので控えましょう。窓枠は熱で歪み天井が崩れている場合もあります。
必ず専門業者に仕分けをしてもらいます。焼け跡から貴重品を捜索してくれるので安心です。
テナントビルで同じビルに複数の会社が入室している場合や、マンションやアパートなどの場合、搬入の際に煤が舞ってしまい共用部分が汚れてしまうため、予めシートなどで覆った上で作業を行っていきます。
また手作業で運び出すのが困難な建物は、クレーン車などの機材を使いながら作業を進めていきます。
必要な場合は内装解体
次に必要な場合のみ解体工事に入ります。
解体は誰でもできる訳ではなく、「解体工事業」の登録業者のみに与えられている工事内容になります。
もちろんSweepersも解体工事業の登録業者のため、内装解体が必要な建物も対応が可能です。
火災によって燃えた木材には有害物質が残っており、焦げた臭いはなかなか取れません。
そのため、火災によって焦げた部分は全て剥がしていきます。逆に言えば焦げた部分を残した状態では焦げ臭いにおいは取り除くことはできません。
煤の除去
煤の除去は消臭剤や除菌剤を使っても根本から除去できる訳ではありません。
現場の状況を確認し、火災現場状況に合った薬剤を調合した上で煤を取り除いていきます。
消臭作業
現場の状況によって消臭効果のある弱アルカリ性の薬剤を室内全体に噴霧しながら煤を除去し、場合により削り取るなどの作業を行いつつ火災特有の臭いを中和消臭させていきます。コンクリートなどの材質は臭気が入り込んでしまうため煤除去後に臭気を封じ込めるためのコーティング作業を行っていきます。
その作業の前後に、Sweepersで使用している業界最高水準の「オゾン脱臭機」によって短時間で強力に脱臭していき消臭作業完了となります。
火災復旧にかかる費用と復旧期間
一戸建て、共同住宅、店舗や職場では建物構造も異なるため、当然火災規模も一律ではありません。
そのため、復旧期間や費用も規模や状況によって異なってくることになります。
あくまで目安になりますが、一戸建てでボヤが発生した自宅では8日程度復旧作業に日数が必要になり、より規模が広がってしまうとこの日数以上かかるとお考えください。
具体的な復旧期間は現場状況によるため、この記事で申し上げることはできませんが、通常のハウスクリーニングに比べると時間がかかってしまうといえるでしょう。
また、どのくらいの費用がかかるのかを予め把握しておきたい気持ちもありますよね。
これは火災現場状況で作業内容や必要となる作業員の人数も異なるため、目安となる費用をお伝えすることは中々できません。
しかし、Sweepersでのお見積りは全て見える化しており、何にいくらかかるのかを誰が見ても分かるような費用体系にしております。
まずは現場をすぐにでも確認させていただくので、公式サイト内か公式LINEにてお問合せください。
火災現場復旧の業者の選び方
これまで何度もお伝えしていますが、火災現場復旧に限らず、簡単な清掃でも個人の方が独自で行うことはおすすめできません。
それは、微粒子である煤が肺に入る危険性や、建物の損傷が激しければ建物自体が危険となる可能性もあるからです。
では火災現場を復旧できる業者を選ぶ際、どのような箇所に焦点を充てて依頼したら良いのでしょうか。
先に助言しておきますが、全ての特殊清掃業者が火災現場復旧のできる業者とは限りません。
そのことを念頭におきながら、次の4つの項目に注意して善良な業者に依頼していきましょう。
解体工事業の免許を取得している
火災現場復旧では、解体が必要なケースももちろんあります。
建物の解体ができる業者は建設業許可の中でも「解体工事業」の登録免許業者でなければできません。
解体工事業は申請をすればどんな業者でも免許取得できるようなものではなく、厳密な条件をクリアした業者のみが都道府県から登録許可を受けることができる許可になります。
解体工事業の許可なく解体をするような業者は違法な業者と考えることができます。
また、火災の解体工事から発生する廃材は通常の産業廃棄物と取り扱いが異なります。しっかりとしたマニュフェストを発行できる会社かを事前に業者に確認しておくといいでしょう。
有害物質の対応方法が理解できている
火災復旧の経験のない特殊清掃業者では、煤や火災による臭いが人体にどの位影響を及ぼすのか無知であること、また作業手順も間違えた方法で進めている可能性も高く、本当に有害物質を除去できているのか不安になってしまいますよね。
ぱっと見はきれいに清掃をされていても目視で確認できないのが臭いになります。
消臭作業を行った後でもそれが本当に取れているのかを確認できるシステムがあれば依頼主への安心にも繋がるでしょう。
例えばSweepresでは業界最高水準であるオゾン脱臭機を搭載しており、臭気測定器にて臭いを数値化することで見えない臭いを数値化し臭いの元を徹底的に脱臭していきます。
わかりやすい料金体系
火災現場復旧には基本的な手順を解説していますが、業者ごとに使う機材も違えば、清掃の作業手順が異なる場合ももちろんあります。
また、依頼主は、「火災現場復旧の復旧方法を全部理解しています」という方はいらっしゃらないはずです。
だからこそ、業者にこの手順が必要と言われると、そういうものなのかと頷いてしまうものと推測します。
こういった不透明な手順を逆手に取り、様々な作業費用を上乗せする業者もあるため、当初の見積り価格よりも作業後に追加費用が入り、莫大な金額を請求されたという事例があると聞いています。
実際、私たちSweepersへ相談されるお客様の中でも、悪徳な業者に依頼し作業が全て完了する前に連絡が取れなくなったというお客様がいらっしゃいました。
火災現場復旧という御難に遭われたお客様に対し、最後まで作業を完了もせず高額な費用を請求する業者に依頼しないよう、1人でも多くのお客様にこの記事が届くことを願っています。
24時間365日いつでも対応できる
Sweepersでは火災現場復旧のほかに、災害復旧(水害、地震、工場事故、防疫作業)、特殊清掃、感染症対策のウィルス消毒除菌作業、ゴミ屋敷清掃、家財整理などを対応しており、その大半が緊急性を要する清掃作業になります。
1分1秒早く清掃や復旧へ入ることにより、建物への損傷を抑えることもできるため、24時間365日、信頼のおける加盟店業者と共に連携を取り全国対応しています。
火災現場復旧でも同様のことが言えるため、業者選びの1つの基準としてお考えください。
自分たちで清掃は絶対にやってはいけない
地域によって業者が来てくれないのではないかとの不安から、個人の業者や便利屋に依頼するケースもあるでしょう。
また、中々業者をさがすことができず、自分でできる範囲で片付けていこうとも考えるお客様もいるかもしれません。
何度もお伝えしますが、私たち専門集団が火災現場復旧に入る際も必要な装備を装着し、専門の機械を投入しながら作業に入ります。
この作業を自分たちで行うのは健康被害に直結したり、火災による建物の脆弱性も想定されるため非常に危険な行為になります。
ご自身で建物内に入ることはせず、プロの力を借りて一刻も早く復旧作業を試みてみてはいかがでしょう。
まとめ
火災は場所を選ばず火元のある箇所から広がっていきます。
もちろん火事にならないよう日頃からのチェックは必要不可欠ですが、万が一自宅が火事になったら、職場火災が起こったら、どのような行動をしていくべきかをシミュレーションしていくことが適切な行動ができる一歩となります。
また、火災復旧についてもどんな業者に依頼するのがベストなのか、作業手順や見積り、また火災保険で対応できるのかも予め確認しておき備えておく必要があるでしょう。
備えを万全にしていても実際に起こると思考がパニックになってしまうものです。
しかし準備を全くしていない場合としている場合では、その後の対処の仕方に差が生じるため、準備しておくに越したことはないですよね。