投資物件で孤独死がおきてしまったら・・その時大家さんがやるべきこと5選！！

近年、増加傾向にある孤独死。もし、所有されている投資物件で孤独死が発生してしまったら、あなたはどうしますか？「何をすればいいのか全く分からない…」と不安に思われる大家様も多いのではないでしょうか。
投資物件を所有する大家様にとって、孤独死は決して他人事ではない時代です。もし所有物件で孤独死が発生してしまった場合、精神的なショックはもちろん、様々な対応に追われることになります。しかし、適切な対応をすることで、物件の価値低下を最小限に抑え、早期の賃貸・売却につなげることが可能です。そこで本記事では、これまで多数の特殊清掃現場の再生に携わってきた経験をもとに、大家様が孤独死発生時にやるべきことを5つにまとめました。ぜひ参考にしてください。

1. まずは警察と遺族への連絡を

投資物件で孤独死が発生した場合、大家様は冷静さを保ち、適切な初期対応を行うことが重要です。

1-1. 警察への連絡：状況を正確に伝える

孤独死を発見した場合、まず最初に行うべきことは警察への連絡です。警察は、現場検証を行い、事件性の有無を確認します。

• 連絡のタイミング
  • 死亡が疑われた場合や確認された時点で、速やかに警察（110番）へ連絡します。
  • 状況によっては、救急（119番）への連絡も必要になる場合があります。
• 伝える内容
  • 発見日時、発見時の状況（例：異臭がした、郵便物が溜まっていた）などを具体的に伝えましょう。
  • 室内の状況（例：ドアの施錠状況、室内の様子）も可能な限り詳細に伝えます。
• 警察の対応
  • 警察は現場に急行し、現場検証を行います。
  • 事件性の有無を確認し、必要な捜査が行われます。
  • 大家様は、警察の指示に従い、現場保存に協力しましょう。
• 大家さんが連絡を行う上での注意点
  • 大家さん自身が室内へ入ると、第一発見者として扱われる場合があるため、入室は警察の到着を待つようにしましょう。
  • 警察に連絡する際は、落ち着いて状況を説明することが大切です。

1-2. 遺族への連絡：心情に配慮した対応を

警察の現場検証後、遺族への連絡も大家様が行う、もしくは警察から依頼される場合があります。遺族への連絡は、心情に配慮し丁寧に行いましょう。

• 遺族の特定
  • 賃貸契約書や緊急連絡先リストなどを参考に、遺族を特定します。
  • 遺族が特定できない場合は、警察に相談しましょう。
• 連絡の方法
  • 電話で連絡する場合は、落ち着いた口調で、丁寧に状況を伝えます。
  • 直接訪問する場合は、遺族の心情に配慮し、失礼のないように対応しましょう。
• 伝える内容
  • 故人の死亡を慎重に伝えます。
  • 発見時の状況や、警察の対応状況などを説明します。
  • 今後の手続き（例：遺品整理、賃貸契約の解除）について、遺族の意向を確認します。
• 心情への配慮
  • 遺族は大きな悲しみに暮れています。
  • 心情に配慮し、寄り添う姿勢で接しましょう。
  • 不用意な言動は避け、遺族の気持ちを尊重しましょう。
• 大家さんが連絡を行う上での注意点
  • 遺族の個人情報は、慎重に取り扱いましょう。
  • 関係者以外に情報を漏洩しないように注意します。
  • 遺族の方の心情を考慮し、連絡する時間帯にも配慮しましょう。

2. 特殊清掃業者への依頼

孤独死の現場は、通常の清掃では対応できません。専門の特殊清掃業者に依頼し、遺体痕の除去、消毒・殺菌、消臭、害虫駆除、状況により原状回復工事などを行ってもらいましょう。
適切な業者を選ぶことで、物件の価値低下を最小限に抑え、早期の賃貸・売却につなげることができます。

2-1. 特殊清掃業者に依頼する理由

• 専門的な知識と技術
  • 遺体痕の除去、消毒・殺菌、消臭、害虫駆除など、専門的な知識と技術が必要です。
  • 一般的な清掃業者では対応できない特殊な作業が含まれます。
  • 便利屋や片手間で特殊清掃を行っている会社ではなく専門的に行っている会社を選定することで短期間で何事もなかったかのような室内によみがえらせることが可能です。
• 専門的な機材と薬剤
  • オゾン脱臭機、特殊な薬剤など、専門的な機材と薬剤が必要です。
  • 一般的な清掃業者では対応できない強い臭い問題も解決してくれます。
• 心理的な負担軽減
  • 大家様自身が清掃を行うことは、精神的な負担が大きいです。
  • 専門業者に依頼することで、心理的な負担を軽減できます。
  • また、特殊清掃業者の中には弊社のように原状回復工事(リフォーム工事)まで対応可能なところもあります。1社ですべてを任せられるのは大家様にとっては安心でしょう。

2-2. 特殊清掃業者の選び方

• 実績と経験
  • 企業HPの施工事例やTwitterなどで孤独死現場での特殊清掃実績が豊富かどうかを確認しましょう。フリーの写真を使用している会社は避けたほうが無難です。
  • 実績豊富な業者は、様々な状況に対応できるノウハウを持っています。
  • 電話連絡の際にどのように物件を再生していくのかしっかり確認しましょう。
• 資格と許可
  • 一般廃棄物収集運搬許可などの必要な許可を持っているかを確認しましょう。
  • これらの許可がない場合は無断営業業者の可能性が高いです。
• 料金体系
  • 見積もりを複数の業者から取り、料金体系を比較検討しましょう。
  • 料金だけでなく、作業内容や使用する薬剤なども確認することが重要です。
• 対応スピード
  • 24時間365日対応可能かどうか、迅速な対応が可能かどうかを確認しましょう。
  • 孤独死の現場は、早急な対応が必要な場合が多いため、対応スピードは重要なポイントです。
  • また、あいまいな説明ではなく大家様が納得し信頼できると判断した業者に任せることが何より重要です。
• アフターサービス
  • 作業後の消臭や消毒など、アフターサービスの内容を確認しましょう。
  • 特殊清掃とは名ばかりで、金目の物だけを持って行ってしまう被害が多発しております！

2-3. 特殊清掃業者に依頼する際の注意点

• 複数業者から見積もりを取る
  • 費用やサービス内容を比較検討するために、複数業者から見積もりを取りましょう。
• 見積もり内容をよく確認する
  • 見積もり内容に不明な点があれば、業者に確認しましょう。
  • 追加料金が発生する可能性についても確認しておきましょう。
• 契約書をよく確認する
  • 契約書の内容をよく確認し、納得した上で契約しましょう。
  • 解約条件や損害賠償についても確認しておきましょう。
• 作業前後の写真撮影
  • 作業前後の写真を撮影し、記録しておきましょう。
  • トラブル防止に役立ちます。
• 作業報告書の受け取り
  • 作業後には、作業報告書を受け取り、内容を確認しましょう。
  • 作業内容や使用した薬剤などが記載されています。

特殊清掃業者への依頼は、孤独死後の対応において非常に重要なステップです。適切な業者を選ぶことで、物件の価値低下を最小限に抑え、早期の賃貸・売却につなげることができます。

3. 賃貸契約の手続きと保険の確認

孤独死が発生した場合、賃貸契約の手続きと保険の確認は、大家様にとって重要な対応事項です。適切な手続きと確認を行うことで、経済的な損失を最小限に抑え、スムーズな物件の再利用につなげることができます。

3-1. 賃貸契約の手続き

• 賃貸契約の確認
  • 賃貸契約書を確認し、契約期間、契約者、連帯保証人などを確認します。
  • 契約内容によっては、遺族との間で賃貸契約の解除に関する交渉が必要になる場合があります。
• 遺族との話し合い
  • 遺族と連絡を取り、賃貸契約の解除の条件について話し合います。
  • 特殊清掃や遺品整理、室内の原状回復についても話し合います。
  • 遺族が相続放棄を選択した場合、遺品整理や原状回復の費用は大家さんが負担することになる可能性があります。
• 賃貸契約の解除
  • 遺族と合意に至ったら、賃貸契約の解除手続きを行います。
  • 解除通知書を作成し、遺族に送付します。
  • 必要に応じて、弁護士などの専門家に相談しましょう。
• 残置物の処理
  • 遺族が遺品整理を行わない場合、大家様が残置物を処分する必要があります。
  • 残置物の処分については、法律に従って適切に行いましょう。
  • 必要に応じて、特殊清掃業者に依頼しましょう。

3-2. 保険の確認

• 孤独死保険の確認
  • 孤独死保険に加入している場合は、保険会社に連絡し、保険金の請求手続きを行います。
  • 保険証券や契約内容を確認し、必要な書類を準備しましょう。
• 火災保険の確認
  • 火災保険に加入している場合は、保険会社に連絡し、保険金の請求が可能かどうか確認します。
  • 孤独死による汚染や損害が火災保険の対象となる場合があります。
• 保険会社への連絡
  • 保険会社に連絡する際は、事故状況や損害状況を正確に伝えましょう。
  • 保険会社から指示された書類を提出し、保険金の請求手続きを進めます。
• 保険金の活用
  • 保険金は、特殊清掃費用や原状回復費用などに活用できます。
  • 保険金の活用方法については、専門家と相談しましょう。

3-3. その他

• 専門家への相談
  • 賃貸契約の手続きや保険の確認について不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
  • 適切なアドバイスを受けることで、冷静に対応できます。
• 記録の作成
  • 遺族との話し合い内容や、保険会社とのやり取りなどを記録しておきましょう。
  • 後々のトラブル防止に役立ちます。

賃貸契約の手続きと保険の確認は、孤独死後の対応において重要なステップです。適切な対応をすることで、経済的な損失を最小限に抑え、スムーズな物件の再利用につなげることができます。

4. 次の入居者への告知と心理的ケア

孤独死が発生した物件は、心理的瑕疵物件となり、次の入居者への告知義務が発生します。適切な告知と心理的ケアを行うことで、入居者の不安を解消し、トラブルを未然に防ぐことができます。

4-1. 告知義務について

• 告知義務の発生
  • 孤独死があった事実は、次の入居者への告知義務があります。
  • 告知義務は、宅地建物取引業法で定められています。
• 告知の範囲
  • 一般的に、孤独死が発生してから3年間は告知義務があるとされています。
  • 事件性や発見時の状況によっては、3年以上告知義務が継続する場合があります。
  • 告知義務の範囲については、専門家と相談しましょう。
• 告知のタイミング
  • 入居希望者から物件に関する質問があった場合
  • 入居申込時
  • 賃貸契約締結前
• 告知の方法
  • 口頭説明
  • 重要事項説明書への記載
  • 物件状況等報告書への記載

4-2. 告知する内容

• 事実を正確に伝える
  • 孤独死があった事実を、隠さずに正確に伝えましょう。
  • 発見時の状況や、特殊清掃の実施状況なども伝えましょう。
• プライバシーに配慮する
  • 故人のプライバシーに配慮し、必要以上に詳細な情報を伝える必要はありません。
  • 遺族の心情にも配慮しましょう。
• 心理的影響を考慮する
  • 入居希望者の心理的影響を考慮し、丁寧な説明を心がけましょう。
  • 不安を煽るような表現は避けましょう。

4-3. 入居者の心理的ケア

• 不安解消に努める
  • 入居者の不安を解消するため、質問に丁寧に答えましょう。
  • 特殊清掃の実施状況や、安全対策などを説明しましょう。
• 相談窓口の紹介
  • 必要に応じて、専門家や相談窓口を紹介しましょう。
  • 入居者が安心して生活できる環境を提供しましょう。
• 信頼関係の構築
  • 入居者との信頼関係を構築し、安心して生活できる環境を提供しましょう。
  • 定期的なコミュニケーションを心がけましょう。

4-4. その他

• 専門家への相談
  • 告知のタイミングや方法、告知する内容について迷う場合は、専門家と相談しましょう。
  • 適切なアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
• 記録の作成
  • 告知内容や、入居者とのやり取りなどを記録しておきましょう。
  • 後々のトラブル防止に役立ちます。

次の入居者への告知と心理的ケアは、孤独死後の対応において重要なステップです。適切な対応をすることで、入居者の不安を解消し、トラブルを未然に防ぎ、安心して物件を運用することができます。

5. その他：孤独死に備えて大家様ができること

先述のように孤独死は、いつ誰にでも起こりうる問題です。大家様としては、万が一の事態に備え、日頃から対策を講じておくことが重要です。

5-1. 入居者の見守り体制を強化する

• 定期的な安否確認
  • 定期的に安否確認を行い、異変に早期に気づけるようにしましょう。
  • 電話や訪問、見守りサービスなどを提案、活用しましょう。
• 近隣住民との連携
  • 近隣住民と連携し、異変に気づいたら連絡をもらえるようにしましょう。
  • コミュニティ活動への参加を促すことも有効です。
• 見守りサービスの導入
  • センサーやカメラを活用した見守りサービスの導入を検討しましょう。
  • 緊急時には、警備会社や家族に連絡がいくように設定しましょう。

5-2. 孤独死保険への加入を検討する

• 保険内容の確認
  • 特殊清掃費用、原状回復費用、家賃損失などをカバーできる保険を選びましょう。
  • 保険会社によって保険内容や保険料が異なるため、比較検討しましょう。
• 告知義務の確認
  • 孤独死保険に加入する際は、告知義務について確認しましょう。
  • 告知義務違反があった場合、保険金が支払われない可能性があります。

5-3. 孤独死に対応した賃貸管理サービスの利用を検討する

• サービス内容の確認
  • 自己保有物件に孤独死やその他トラブルが起きてしまった際に、対応してくれる業者をあらかじめ見つけておき、どのような業者なのか事前に連絡や確認を行っておくと安心です。
  • 対応可能なサービス内容や大まかな料金を確認しましょう。
• 信頼できる業者を選ぶ
  • 実績や評判を確認し、信頼できる業者を選びましょう。
  • 契約前に、サービス内容や料金について十分に確認しましょう。

5-4. 孤独死に関する知識を深める

• セミナーや勉強会への参加
  • 孤独死に関するセミナーや勉強会に参加し、知識を深めましょう。
  • 最新の情報を得ることで、適切な対応ができるようになります。
• 専門家への相談
  • 孤独死に関する疑問や不安がある場合は、専門家に相談しましょう。
  • 弁護士、司法書士、不動産業者などに相談できます。

5-5. その他

• 定期的な物件の点検
  • 定期的に物件を点検し、異変に早期に気づけるようにしましょう。
  • 郵便物の溜まり具合や、電気・ガスの使用状況などを確認しましょう。
• 入居者とのコミュニケーション
  • 入居者と定期的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きましょう。
  • 異変に気づいた際には、声をかけやすい関係を築きましょう。

これらの対策を講じることで、孤独死のリスクを軽減し、万が一の事態にも冷静に対応することができます。

まとめ

孤独死は、大家様にとって大きな負担となりますが、適切な対応をすることで、物件の価値低下を最小限に抑えることができます。本記事で紹介した5つのことを参考に、冷静かつ迅速に対応しましょう。

1. まずは警察と遺族への連絡を
2. 特殊清掃業者への依頼
3. 賃貸契約の手続きと保険の確認
4. 次の入居者への告知と心理的ケア
5. その他：孤独死に備えて大家様ができること

これらの対応は、大家様にとって精神的、時間的な負担が大きいものです。しかし、適切な対応を怠ると、物件の価値を大きく下げてしまう可能性があります。

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