ご依頼経緯
HPから弊社にお問い合わせをいただきました。お仕事の都合上夜間しかご自宅にいらっしゃらないとのことで夜間対応をさせていただきました。発見は当日だったものの、作業依頼まで数週間経っており臭いが出てしまったためのご依頼です。大切な方が自死された部屋に住み続ける・・と聞くと驚かれる方が多いのですが、一緒にいた思い出のあるお部屋に住み続けたいという依頼主は少なくないものです。今回のご依頼者様も今後も住み続けるとのことでしたので、忘れることはできないでしょうができるだけ元の生活に近づけるよう清掃消臭をさせていただきました。
現場状況
賃貸マンションの一室。1Kの間取り。共用部からぽつぽつと血痕が見られました。玄関を入ってすぐユイットバスがあり、ユニットバスのドアには養生目張りが何重にもしっかりとされていました。また入り口すぐのキッチンや壁にも血液が飛んでいました。故人も血液量に驚いてしまったのかもしれません。


刃物を使った自死(自殺)現場は凄惨な場合が多く今回も相当量の血液がユニットバスの床から天井まで飛び散っていました。このような状態をお付き合いされていた方やご家族様が清掃されるのは精神的に難しいと思います。
今回のご依頼者様も目を背けたかったのだと思います。
そうはいっても3点ユニットなのでトイレもお風呂も使用できないままお過ごしだったのは大変だったことでしょう。
作業内容
ユニットバス内、さらに3点ユニットということもあり浴室の作業は1人。固まった血液を落としていきます。トイレの裏側や換気扇内部にも血液が飛んでいるので隅々まで洗浄消毒を行います。もちろん配管洗浄も行います。
その間、もう一人は玄関のドア、土間、ユニットバス入り口周辺、ミニキッチンの血液を洗浄消毒・・同時進行で行います。夜間ということもあり2名で短時間で作業を進めていきました。血液独特の臭いが漂っていたことが印象的です。
作業完了

便座と浴槽側面のカバー(エプロン)は故人が倒れた衝撃で割れてしまっていましたが、そのほかは見た目では何事もなかったかのような状態に戻すことができました。現場は何もなかったような状態に戻すことは可能ですが、自死してしまった方は戻ってきません。残された方の気持ちも元には決して戻らないのです。Sweepersの公式X(旧Twitter)でよく載せていますが、刃物を使った自殺現場の多くがすぐに意識がなくなるわけでないため、あちこち歩きまわった痕跡があるのです。
なかには止血した形跡や血の手形もあるものです。
「死」という選択以外の解決策がもしあるのならば、どうか違う選択をしていただきたい。
それでも自らの手で自殺という方法を選んだのであればせめて、今は楽になっていてほしいと思わずにはいられません。
今回は恋人の自死という辛い現場の特殊清掃でした。作業完了時のご確認もお願いしずらかったのですが“きれいにしていただきありがとうございました”と言っていただけてよかったです。
作業詳細
- ご依頼者:同棲されていた恋人
- 場所:千葉県流山市
- 作業内容:特殊清掃
- 作業人数:2名
- 建物:1K賃貸アパート
- 費用:160,000円