親族がなくなった後に行わなければいけないのが「遺品整理」。
そんな遺品整理ですが、残された家族として「これはどう処分したら…」と思うものがあります。
生前に処分方法を本人に確認できていればスムーズに進めることができますが、急逝してしまったり、生前交流があまりなかったりと、処分方法について本人と話し合ってない遺族も多いでしょう。
今回の記事では、残されて困る物とは実際どんな物が当てはまるのか、どう処分したらいいのか、という疑問に対して解説していきます。
目次
遺品整理で残されて困る物・その処分方法とは?
誰でも一度経験するであろう遺品整理。遺品を整理していると、大切な人との思い出の品が出てきて感傷に浸ることがあるでしょう。ですが、大切な人の遺品であっても「これはちょっと…」と困ってしまう物も出てくる場合があります。
遺品整理で残されて処分に困る物としてご相談される物を以下にまとめました。処分法も一緒に解説していきます。
- 人形
- 写真
- 刀剣類
- 神棚
- お仏壇
- 消火器
- 車・バイク
- 車のタイヤ
- 金庫
- 注射針
人形
遺品整理時に出てきた人形の処分に困る人は多いです。可燃物として処分するのは簡単ですが、故人が大切にしていた人形だと「処分していいものか…」と悩むものです。
処分方法
捨てようにも故人が大切にしていた人形…処分しようとしてもいたたまれない気持ちになります。神社やお寺に持っていき、供養をすることで気持ちを整理することができるでしょう。
供養してもらうまででもないと判断した物は寄付したりリサイクルショップで売却したりするのがいいでしょう。誰かの手に渡ってくれると思えば、処分する際の気持ちもつけやすいものです。
写真
遺品整理の中でも特に困るものとして多いのが写真やアルバムです。写真やアルバムは故人が過ごしてきた日々や、家族と過ごした日々が残された家族にとって大切な思い出の品。遺品としては大きなものではありませんが、簡単に処分していいものかと迷う人が多いかと思います。
処分方法
ただ処分するには気持ち的に踏ん切りがつかない…という人は神社やお寺でお焚き上げしてもらう方法がオススメです。火で燃やし、浄化・供養することで心安らかに処分することができるでしょう。
写真を捨てずに保管しておきたいという場合は、写真をデジタルデータ化する方法がオススメです。
現在スマホやパソコンのアプリやコンビニのプリントサービス、スキャン専門店などで紙焼き写真をデジタルデータに変換することが可能です。デジタル化することで物量を増やすことなく保管することができます。
日本刀・銃
遺品整理していたら日本刀が出てきた…そんな事例が実際にあります。家に日本刀があることを知らなかった場合、驚いたり困惑してしまうかと思います。また、銃も遺品整理している時に発見されることがあります。地方だと狩猟のための猟銃は多いように感じます。実際に、遺品整理のご依頼で作業していた時に散弾銃だったり猟銃だったりと様々な銃が20本近く出てきたこともあります。
処分方法
遺品整理で刀や銃が出てきた場合は、不用意に触らないようにしましょう。焦って警察署まで持っていったり相談しに行くと、場合によっては「銃刀法違反」に問われる恐れがあります。
発見した際は触らずに一旦置いておき、まずはその武器の銃砲刀剣類登録証を探しましょう。銃砲刀剣類登録証とは、銃砲刀剣類所持等取締法で定義されている刀剣や銃砲が、所有者の住所地である都道府県教育委員会に登録されていることを示す登録証のことです。※全国刀剣買取センターより引用
刀の所持に必要な登録証とは?銃砲刀剣類登録証について解説します | 全国刀剣買取センター (katana-kaitori.com)
しかし、探しても登録証が見つからなかった…なんてことも起こるでしょう。その時は武器類を触らずに警察署に電話で「遺品整理中に未登録の刀・銃が出てきてしまった」と相談しましょう。
警察署ではそれが本物の武器なのか確認し、確認が取れたら「発見届出済証」を交付してくれます。この証明書を貰えたら、教育委員会が行っている「登録審査日」を待ち、指定された日に会場に持って行きましょう。「武術用や観賞用に相応しいか基準を満たすもの」であるかの審査が行われます。認定されたら登録証が交付されます。
この登録証・発見届があれば、自宅で保管できたり、専門店で買い取ってもらうことができます。
神棚
神棚は分別としては粗大ゴミとして扱われますが、そのまま捨てるのは抵抗がある…と感じる人が多いでしょう。そんな時は神社で処理・処分をしてもらうのがオススメです。
処分方法
神社に神棚を持って行き、処分してもらうのがオススメの処分方法です。
神社で行われる祈祷などの費用はかかってしまいますが、罪悪感や後悔を感じることなく、気持ちよく処分することができるので、神棚を捨てることに対して抵抗感がある場合は有効な処分方法でしょう。また、神棚に貼ってあったお札は神社に返納しておきましょう。
もちろん、抵抗感がない人はそのまま神棚を粗大ゴミとして処分してしまってもいいでしょう。
お仏壇
遺品整理の時によく処分に困るものとしてお仏壇があります。お仏壇をそのまま処分してもいいのか…中の本尊や位牌はどうすればいいのか…と悩む人も多いです。
鵬盛商事が2019年10月18日~10月25日にインターネットで行った全国男女1000名を対象としたお仏壇の所有率調査では、4割の人が「ご家庭に仏壇がある」と答えています。
アンケートに参加した人だけでも400人近くのご家庭にお仏壇があることになります。このことから、遺品整理でお仏壇と向き合う機会は決して少なくないのです。
処分方法
まずは神社やお寺に相談して、魂抜きをしてもらうのがポピュラーです。お仏壇は厨子と本尊、位牌に分かれています。魂抜きをしてただの木箱に戻した後に、厨子は地方自治体が粗大ゴミとして回収してくれます。本尊や位牌は神社やお寺でお焚き上げできるので相談してみましょう。
消火器
故人がいざという時のために用意していた消火器が遺品整理の際に出てくることがあります。当社が行った遺品整理の現場でもかなり古い消火器がそのまま発見されることは多いです。実際に出てきた時、処分方法が分からずに困ってしまう人が多いものの一つではないでしょうか。
処分方法
まず、消火器は地域のゴミ収集業者が回収対応をしていなく、ゴミの日に出すことができません。消火器を処分する際は、消火器リサイクル推進センターに相談しましょう。近くの消火器の持ち込みが可能な特定窓口/指定引取場所と呼ばれる場所をエリア毎に検索することができます。期限が残っているものは消防署に相談も可能なようです。
消火器リサイクル推進センター | リサイクル窓口検索 (ferpc.jp)
車・バイク
故人が生前利用していた車やバイクも処分に困るものに該当するでしょう。車やバイクを自分で持っているけど、実際に処分する際どうすればいいか分からない人は多いでしょう。
ですが、分からないからと言って相続せずに放置していると、税金や保険料などの負担が増えてきてしまいます。なるべく早めに処分するのが好ましいです。
処分方法
まず、残された車やバイクは相続するか処分するかの2つに分かれます。
処分する場合は、専門の買取業者に依頼するのがオススメです。動かない車でも自宅まで回収に来てくれる場合がほとんどです。かかる費用が業者によって異なるため、依頼する際は事前に確認しておきましょう。
相続する場合は、名義変更の手続きが必要になります。亡くなった方の戸籍謄本や車検証、相続人全員の記載がある戸籍謄本など、多くの書類が必要になります。下記のサイトでは車両の名義変更について解説されているので、チェックしてみてください。
相続に伴う車やバイクの名義変更手続きについて | よくわかる相続と遺言書のマニュアル (gyousei-souzoku.com)
車のタイヤ
遺品整理の際に車庫や倉庫を覗いてみたら、車のタイヤが何個も見つかってしまいどうしよう…と悩む人も多いです。実際に遺品整理のご依頼時に「外の倉庫にタイヤが何個もあるんですけど…」とご依頼者様からご相談されることもよくあります。
タイヤは家庭用ゴミとして捨てることができない特殊な物の一つなので、実際に捨てようにもどこに捨てたらいいか分からないと悩む方は多いのです。
処分方法
タイヤは適正処理困難物として廃棄物処理法で決められているので、普通のゴミとして処分することができません。適正処理困難物に指定されたものは、自治体が持ち込みを拒否することができるので、大体の自治体は回収業者やタイヤ専門店に依頼して処分して下さい、などの案内がされています。
しかし、一部の地域では「適正処理困難物」を有料で受け付けてくれる自治体もあるので、まずはお住いの地域の自治体に「タイヤは何ゴミとして扱われていますか?」と確認してみましょう。
以上のことから処分に困ることの多いタイヤの処分方法ですが、処分する前にタイヤの価値を調べてみましょう。人気メーカーの物の場合、高い売値がつく可能性があり、売却した方が良い場合があるからです。以下にタイヤの人気メーカーをまとめてみました。
- ブリヂストン
- トーヨータイヤ
- ヨコハマタイヤ
売値があまりつかなくて処分してしまいたい時は、タイヤ販売店や専門の買取店、カー用品店で処分してもらうのがいいでしょう。注意したいのは、処分費がかかることです。安価で引き取ってくれる店舗もありますが、その反面高額な処分費を持ち掛けられる場合があります。持ち込む際は、事前に処分費をチェックしておきましょう。
また、不用品回収業者に依頼するのも一つの方法です。こちらの方法だと、業者がご自宅まで回収に来てくれるので、自分で重いタイヤを運ぶ手間や労力を省くことができます。回収日も自分の都合の良い日に取り付けられるので、忙しくて時間が中々作れない人でも利用しやすいでしょう。費用がかかってしまうのはもちろん、業者によって金額が大きく異なる場合があるので注意しましょう。
金庫
遺品整理で出てくる処分に困る物として代表的ともいえるのが金庫です。ご自宅の大切な書類や貴重品などを火災や震災から守ってくれる金庫…ですが、いざ遺品として処分する対象になった時、「どうやって捨てればいいの?」と、頭を悩ませる人が大半でしょう。
処分方法
まず金庫を処分する前に、金庫の中身を確認したいところです。金庫には故人の土地の権利書や有価証券、故人の貴重品など、相続時に必要な物が入っている可能性があります。ですが、金庫を開けるための番号が故人から伝えられていなかった場合、開けることができなくなります。その場合、金庫を開けるためには金庫の専門業者に依頼する必要があります。金額は金庫の種類や大きさによって前後するため、注意しましょう。
次に処分する方法ですが、金庫は中身を火災や震災から守るためのものなので、非常に頑丈かつ重たいです。また、耐火性のために特殊な素材が使われているものは、産業廃棄物として扱われるため、粗大ゴミとして処分することができません。
例として、茨城県水戸市での金庫の分別では、手提げ用の金庫は燃えないゴミとして市が指定するゴミ袋に入れれば処分することができますが、袋に入らないものや、手提げ用以外の金庫の場合、収集不可とされており、販売店、専門の処理業者、一般廃棄物収集運搬業許可業者などにご相談とされております。
ごみ・資源物の分け方検索結果一覧 – 水戸市ホームページ (mito.lg.jp)
他にも例として、神奈川県横浜市のゴミの分別では、耐火性金庫は販売店へ相談とされています。
横浜市ごみ分別辞典「MIctionary(ミクショナリー)」 | 分別検索 (yokohama.lg.jp)
このように、一般的な粗大ゴミとして認めていない自治体が多いのです。
耐火性金庫の処分方法として以下の方法があります。
- 金庫販売店に依頼する
- 金庫専門(開錠)業者に依頼する
- 不用品回収業者に依頼する
- 日セフ連に依頼する
金庫販売店に依頼する
まず、自治体でも案内されている方法として金庫販売店に相談する方法です。
遺品整理中に出てきた金庫を購入した店舗が分かっていて、現在も営業している場合は、金庫の引き取りができるか問い合わせてみましょう。店舗によっては無料で引き取ってくれる可能性があります。
もちろん、引き取りの費用がかかる場合もあるので注意しましょう。
金庫専門業者に依頼する
金庫専門の業者に依頼する方法もあります。
金庫専門の業者なら、金庫の開錠とともに、必要なくなった金庫を引き取ってくれます。デメリットとして、金庫開錠の作業量・金庫の処分費用など、まとまった金額が必要になることです。状況によって値段が大きく変わってしまう可能性があるので、事前に見積もりや問い合わせで確認しましょう。
日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会に依頼する
日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会(日セフ連)とは、金庫を中心とした、鋼製家具類の製造・販売等を行う事業連合会のことです。金庫の廃棄についての相談を受け付けているので、金庫の処分に困ったら一度問い合わせるのもオススメです。
金庫の廃棄相談室 | 金庫の業界団体 日セフ連 (nihon-safe.jp)
許可のある不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に引き取ってもらう方法もあります。
耐火性のために特殊な素材が使用されている金庫は産業廃棄物扱いになるため、一般のゴミ回収業者に粗大ゴミとして引き取ってもらうことはできません。ですが、一部の不用品回収業者なら耐火性の加工がされた金庫でも引き取ってもらえます。ほとんどの場合、運搬費や処分費がかかるため、あらかじめ見積もりや問い合わせの際に確認しましょう。
注射針
病気の治療をされている方の中には自己注射をされている方もいらっしゃいます。
ご家庭でインスリン注射等の医療行為をご利用していただく方もいらっしゃるところですが、注射針等の処分をする場合、原則的には、ご利用いただいている医療機関へ返却をしていただくものとなりますが、もしごみとして処分をする場合は、注射針については、針先をキャップに被せていただくか、ビニールテープ等で覆っていただき、燃やすごみに袋を二重にして捨ててください。
※市町村によって異なるため事前にご確認ください。
まとめ
ご家族や友人が亡くなった際、必ず行われる「遺品整理」。
故人が生活していた部屋や思い出の品を整理していると、どうしても感傷に浸ることになるでしょう。それと同時に、残されて困ってしまう物も整理しなくてはいけません。遺品整理をすることになった際、今回の記事でご紹介した物が出てくるかもしれません。処分方法や場所をしっかり把握することで、作業がストップすることなく、スムーズに遺品整理を進めることができるでしょう。
今回はお客様の声をもとに、遺品整理で処分しずらいもの、処分に困った物をご紹介させていただきました。
Sweepersでは今回ご紹介したすべてのものの処分をお受けすることが可能です。
ご遺品整理をまとめて業者に依頼したいとお考えの方は是非ご相談ください!!