「え、うちの物件で飛び降り自殺…?」一報を受けたとき、きっとそう思いますよね。

「マジですか?って、なりましたよ💦入居者さんからの連絡で初事態を知った時は、頭が真っ白になりました。だって、自分の管理してる物件でそんなことが起きるなんて、考えたこともなかったから。」
そう話してくれたのは弊社にご依頼をしてくださった管理会社の20代の男性でした。今から6年前の話です。でも、残念ながらこういう事故って、本当にいつどこで起こるか分からないんです。他人事じゃないんですよ、本当に。私も仕事柄飛び降り自殺の現場はよく入りますが皆さん初めてだとおっしゃります。
もし、あなたの管理してる物件で、飛び降り自殺が起きてしまったら…。
想像してみてください。エントランスのコンクリートに、血が飛び散ってて、他の住人さんが悲鳴を上げてる光景を…。管理会社に入るクレーム電話の数々、考えただけでも、ゾッとしますよね。
「うわ、どうしたらいいんだ…」って、パニックになる気持ち、よーく分かります。でも、こういう時こそ、冷静な対応が大切なんです。まず、警察や救急に連絡するのは当たり前。でも、それだけじゃダメなんです。
実は、一番大変なのは、その後の「特殊清掃」。
救急隊や警察は負傷者やご遺体の搬送が仕事であって現場に残された血液や肉片はそのままですから。清掃を依頼したほうがいいのか悩んでいる方や、万が一に備えて知識を得ておきたいと思っている方はぜひ最後までお付き合いください。
目次
飛び降り自殺発生!管理会社が最初にすべきこと
飛び降り自殺が発生してしまった場合、管理会社が最初にすべきことは、以下の3つです。

- 人命救助と救急への連絡
- 警察への連絡
- 現場の保全
それぞれの項目を詳しく解説していきます。
1. 人命救助と救急への連絡
まず、何よりも優先すべきは人命救助です。生存の可能性がある場合は、ためらわずに救急へ連絡してください。救急への連絡は、119番にかけることで可能です。
連絡時には、以下の情報を正確に伝えましょう。
- 事件発生場所
- 現在の状況
- 負傷者の人数と状態
- 連絡者の氏名と連絡先
救急隊が到着するまでの間、可能な範囲で応急処置を行います。救急に連絡をした際に支持を仰ぐことが可能です。ただし、無理な移動や知識がない中での移動や処置は避けてください。
2. 警察への連絡
救急への連絡後、速やかに警察へ連絡します。警察への連絡は、110番にかけることで可能です。
警察へは、以下の情報を正確に伝えましょう。
- 事件発生場所
- 現在の状況
- 負傷者の人数と状態
- 連絡者の氏名と連絡先
警察が到着するまでの間、現場の保全に努めます。
3. 現場の保全
警察が到着するまで、現場の保全に努めます。現場保全の目的は、以下の2点です。
- 二次的な事故を防ぐ
- 証拠を保全する
具体的には、以下の対応を行います。
- 現場への立ち入りを規制する
- 現場の状況を記録する(写真や動画など)
- 関係者以外の接触を避ける
現場保全は、後の警察の捜査や、保険会社とのやり取りをスムーズに行うために重要です。
特にマンションなどの人目に付きやすい場所は他の住民の目もあるため可能であれば事故現場以外の場所から出入り出来るよう誘導することも必要になるでしょう。
その他、管理会社がすべきこと
上記の3つ以外にも、管理会社は以下の対応を行う必要があります。
- ご遺族への連絡と対応
- 他の入居者への説明とケア
- 場合により報道機関への対応
これらの対応は、ご遺族や入居者の心情に配慮し、慎重に行う必要があります。
ご遺族への連絡ですが、昨今弊社にご依頼のある現場では、マンションの住民以外の方が飛び降りされたというケースも珍しくありません。そういった場合は警察に任せてください。
専門業者への依頼
飛び降り自殺があった現場は、専門業者による特殊清掃が必要です。特殊清掃では、通常の清掃では除去できない血液や体液の除去、消毒などを行います。皆さんが思い描く飛び降り自殺は高い場所から身を投げ地面に広がる血液・・でしょうか?そういった現場が多いのは事実です。
しかし、マンションやビルの形状により現場状況は異なってくるのです。
例えば・・下の写真のような段々になってるタイプ。商業施設などにも多く見られますよね。


このような形状の建物だと地面墜落前にパラペットやほかの住民のベランダに一旦落下しバウンドするように地面に落ちてしまうこともあるのです。あるいはバウンドせずにパラペットでお亡くなりになってしまうこともあります。また、飛び降りた際に外壁に擦られるようにし落下したであろう現場もありました。その場合は外壁にも血液以外の肉片や毛髪などが付着しているため地面のみでなく外壁の洗浄作業も必要となります。状況により、ドローンを使用し現場状況を確認したり、高所作業車を使用したりと状況に合わせた臨機応変な対応が必要となってきます。
特殊清掃業者を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 実績と経験が豊富か
- 専門的な知識と技術があるか
- 見積もり内容が明確か
- プライバシーに配慮してくれるか
- 緊急時に対応可能か
- 必要な免許や資格があるか
飛び降り自殺のような人目に触れる状況の場合は緊急性が高いので、悠長に複数社合い見積もりをとっている場合ではないでしょうから事前に対応可能な業者を選びどこまでの作業が可能か、費用面や支払い方法などを話し合っておくといざとなったときに慌てずに済むと思います。
弊社では万が一の際に備え、特殊清掃事前契約を設けております。ご相談ください。
飛び降り自殺が起きた際に特殊清掃業者に何を伝えたらいい?

1. 現場の状況
- 発生場所: 建物名、階数、飛び降りた場所、敷地内の具体的な場所
- 発生日時: 発生した日時、発見日時
- 状況: 現場の状況、洗浄範囲、体液などの種類(血液、体液、その他)
- 現場の写真や動画: 可能な範囲で、現場の状況を撮影した写真や動画
これらの情報から私たち特殊清掃スタッフは必要な資材を持って現場に駆け付けます。わかる範囲で良いので情報提供をお願いいたします。伝え方が難しい場合は写真や動画でも対応可能です。
2. 物件に関する情報
- 物件の種類: マンション、アパート、一戸建て、その他
- 駐車場の有無:事前にお知らせいただけるとスムーズに作業に取り掛かれます
- 水道電気の使用: 電気や水道の使用が可能かどうかで機材が変わります
- 作業可能時間: 事前に作業してもいい時間帯を教えてください
- ご担当者様: お立会いは不要ですが、連絡が取れる方をお知らせください
- 希望する作業: 範囲が限定的な場合は事前にお知らせください
これらの情報を事前にご連絡いただくことで、私たちもスムーズに作業を行うことができほかの入居者様の心配も最小限で済むことになります。
作業の流れ 自殺現場の特殊清掃はどのように行われるのか

飛び降り自殺現場の特殊清掃は、孤独死現場などで行う作業とは異なります。孤独死現場の場合は基本的には室内での作業で、長期間発見されなかったことによるご遺体からの腐敗臭を消臭するということが作業目的ですが、飛び降り自殺の場合は血液や落下の衝撃による体の一部を除去洗浄することが目的となります。先ほど記載した通り、現場状況により作業内容は異なりますが、大まかな流れをご紹介していきます。
1. 現場の確認と状況把握
- 現場到着: 現場に到着後、まず状況を確認します。
- 作業範囲の確認: 血液や体液の付着状況、洗浄範囲などを細かくチェックします。
2. 現場の養生と隔離
- 養生作業: 血液等が広がらないよう、ビニールシートなどで周囲を養生します。
- 隔離: 作業スペースを確保し、関係者以外の立ち入りを制限します。
3. 血液や体の一部の除去と清掃
- 対象物の除去: 血液や体液などの対象物を、専用の薬剤や道具を使って丁寧に除去します。
- 清掃: 血液や体の内容物が飛び散った場所や周辺を、徹底的に清掃、洗浄します。
- 対象物の処理: 除去した人の体の一部物は、医療廃棄物として適切に処理します。
4. 消毒
- 消毒: 血液などが飛び散っていた場所や周辺を、消毒剤で徹底的に消毒します。
5. 作業後の確認と報告
- 確認: 作業が完了したら、血痕等が残っていないか、細かく確認します。
- 報告: 作業内容や結果を、管理会社(ご依頼者)に報告します。
目安となる作業時間
現場状況により“駐車スペースの有無、水道使用の有無、血液などの量、高所作業の有無”により異なりますが、これまでの経験ですと敷地内に駐車可能で、水道が使用でき、近隣住民やマンション管理者のご協力もあった場合は、作業スタッフ2名で1時間半~2時間くらいが平均作業時間となっております。
人通りの多い場所での作業を行う場合に通行止めが必要な際は目安にしてみてください。
今回の記事では、飛び降り自殺が発生した場合の管理会社・大家さんの対応について詳しく解説しました。「まさか、うちの物件で…」
そう思われるかもしれませんが、残念ながら、このような事故はいつどこで起こるか分かりません。
もしもの時、管理会社・大家さんは何をすべきか知っていれば慌てずに済みます。
警察への連絡、ご遺族への対応、入居者さんへのケア…。やるべきことは山積みですが、現場をそのままにしておくわけにもいかないので特殊清掃会社への連絡も必須です。
飛び降り自殺現場の特殊清掃は、他の人の目に触れてしまいやすいため緊急性が求められます。
「でも、特殊清掃って高いんじゃないの?」
そう思われるかもしれません。確かに、費用はかかります。しかし、プロに任せることで他の住民への安心感や精神的な負担が減るなどの多くのメリットがあります。
なにより私たちには多くの経験があります。どんな状況でも対応ができるため管理会社・大家さんの「困った」を解決し、安心・安全な物件管理をサポートします。
飛び降り自殺、事故が起きたら、まずは Sweepersにご相談ください。