ご依頼経緯
都内で別の孤独死の特殊清掃をしていたところ、管理会社様からの緊急対応依頼です。
管理先賃貸マンションの一室で「孤独死」が発生し、臭気が強いためか他の複数の入居者様より多数のクレームが出ている状態とのこと。しかし、相続問題が解決していないため、先に「一次処理」を行ってほしいとご依頼いただきました。特殊清掃の「一次処理」とは、現状以上に建物や周囲に影響が出るのを防ぐ目的で、最低限の血液や体液の洗浄消毒、ご遺体跡のある物の梱包、害虫の駆除、臭いが外部に漏れないよう目張りなどの対策をする作業のことを指します。今回のように相続するか相続放棄するか分からない状況の場合はあきらかなゴミをふくめ家財道具には一切手を付けてはいけません。体液のみの対応作業となります。
現場状況
緊急対応の為、管理会社の方と作業時に必要な物をもって現地に向かいました。臭気がとても強く、エレベーターのなかも臭います。扉が開いた瞬間、エレベーター内とはくらべものにならないくらいの臭気を感じるほどでした。
ドアを開けるとすぐに玄関からリビングにかけて、お菓子の袋やジュースのペットボトルなどが大量に積み上げられています。体液量も多く、室内の広範囲に広がっていました。
まだ乾く前の状態のため足元はぬるぬると滑り油断すると滑ってしまいます。
室内のごみや絨毯張りの床は体液を吸っていて歩くたびにじゅわっと体液がにじみ出てきます。
今回は「一次処理」のみのため、体液が付着した布団や衣類を梱包し、床の絨毯も部分的に剥がしていきます。室内にある食品のゴミにも大量に体液がついており本来ならば処分するのが望ましいのですが、今回は相続問題もあり袋に入れ室内に残すことに。
処分することはできませんが、出来るだけ周囲に臭いが漏れないよう袋にいれさせていただきました。
相続問題が済んでいない以上、どんなに近隣からクレームが出ていようと今の状況でできる限りのことしか行いようがないのです。
作業完了
最後にオゾン燻蒸を用いて簡易消臭を行い、ドアや窓、換気扇や通気口、配管に目張りをさせていただき「一次処理」を完了させていただきました。一次処理後臭いが漏れなくなったとのことで管理会社様からご連絡をいただきました。
特殊清掃の一次処理はご遺族の皆様が入室可能な状態にすることを目的としておりますが、今回のように近隣からのクレームがひどい場合の応急処置としてもご利用いただくケースがあります。
室内でお亡くなりになられた場合、早急な対応が必要ですが場合により現場保管が必要となる事もあります。そんな際はご相談いただければ今できる対策をご案内させていただきます。