- 子供が親元から離れて一人暮らしをしている
- 家族が単身赴任をしている
- 高齢の親が子世帯と別々でアパート暮らしをしている
など、さまざまなケースを背景に持ちながら、家族がそれぞれの場所で生活をしている形も近年では当たり前の傾向にありますよね。
家族同士離れて生活をしていると、頻繁に会うこともできないため、日々の暮らしぶりも見えないことも多いでしょう。
近年でも社会問題となっている「孤独死」。
もしご家族が契約している賃貸物件の室内で自死を遂げたら・・・。
今回の記事では賃貸物件内で親族が自死を遂げた場合の遺族が取らなければいけない責任について解説していきましょう。
目次
自殺の場合|遺族は貸主から損害賠償責任を負う
賃貸物件の室内で亡くなった場合、「遺族が貸主へ損害賠償責任」を負う必要が、全てに当てはまるわけではありません。
そして、もしあなたが貸主から損害賠償請求された際、どこまでが損害賠償責任に当てはまるのか、請求された金額は妥当なのか、そもそも払わなければいけないのか・・・
ご家族が不慮の死亡を遂げてしまったにも関わらず、頭を抱える内容です。
この章では、どのような死亡の場合、遺族が貸主への損害賠償責任を負う必要があるのかを解説していきましょう。
自殺の場合
建物賃貸借契約では、貸主が借主に対して、「善管注意義務」の規定を設けています。
借主は、賃貸物件を善良な管理者の注意をもってその物を保存しなければならないという内容になり、「自殺」も善管注意義務として考えられています。
親族が賃貸物件内で自殺をし自死を遂げた場合、善管注意義務違反と考えられるため、貸主からの損害賠償請求責任を負うことになるのです。
病死の場合
一方、やむを得ない事情と考慮できる死亡に関しては損害賠償の責任を負う必要はありません。
例えば、病死、不慮の死、孤独死などがそれに当てはまります。
しかし、孤独死などは親族とも疎遠のケースが多く、死亡後発見まで日数が経過し、大掛かりなリフォームをしなければいけません。
このような場合、貸主からの損害賠償責任は問われませんが、リフォーム費用を負担しなければいけない場合がほとんどになります。
他殺の場合
善管注意義務違反には他殺された場合は含まれていません。入居者本人の意思と反した死因になるため、貸主からの損害賠償責任に該当しないと考えられるのです。
豆知識〜その他善管注意義務違反に当てはまるケース〜
- 賃貸物件内で(居室で)殺人を起こした場合
- 借主の故意や過失によって火災を引き起こした場合
上記のケースも善管注意義務違反に該当します。
親族が自死を遂げた場合、賃貸借契約は相続人が継承する
次に、遺族が損害賠償責任を負う必要がある理由を解説していきます。
貸主(大家さん)と賃貸借契約を締結したのは借主(親族)ですが、借主が亡くなった場合、この賃貸借契約の借主の地位を継承するのは相続人になります。
例えば、Aさん(高齢の親)、Bさん(子本人、相続人)の場合、Aさんと大家さんとの間で建物賃貸借契約が締結されていますが、Aさんが自殺によって自室で死亡した場合、Aさんの地位を継承するのはBさんになるのです。
ただ、相続人は、Aさんが亡くなってから3ヶ月以内に相続放棄をすることで、Aさんの遺産全ての相続を放棄することができます。
しかし、もしBさんがAさんの連帯保証人として契約しているのであれば、相続放棄をしても保証人としての義務は引き続き継続するため、連帯保証人として損害賠償責任と原状回復の義務が残る形になるのです。
連帯保証人とは
近年の賃貸物件を借りる契約形態では、保証会社を利用するケースも増加しています。
しかし、入居者が高齢の場合や、大学生などの場合、親族を連帯保証人とする場合もあります。
高齢の親であれば、その子が連帯保証人となる場合が一般的な考え方になるため、子が相続放棄をしても連帯保証人としての責任は残る考えになるのです。
損害賠償の内容と範囲
所有している賃貸物件内で自殺による死亡が起きると、その部屋は次の入居者がなかなか決まらず、長期の空室の可能性もあり、さらに心理的瑕疵物件として事故物件扱いになります。
事故物件としてイメージがついてしまうと相場より低い賃料として募集を開始しなければ入居したい借主は見つかりません。
上記のような理由から大家さんは損害賠償と原状回復費用を親族に請求するのです。
しかし、法律で具体的な金額や賠償の範囲が決められている訳ではないため、かなりの高額費用になり、金銭的なトラブルが多いのも実情です。
もし、親族が賃貸物件内で自殺をし、ご家族の元に損害賠償請求が送られてきた場合、ご自身だけで解決しようとせず、専門家である弁護士等に相談をすることをおすすめします。
逸失利益
聞きなれない言葉になりますが、貸主に支払う損害賠償の内容とはどのような解釈によって責任を負う必要があるのかを解説していきます。
自分が所有している賃貸物件で、入居者の1人が室内で自殺してしまうと、その物件は事故物件扱いになります。
貸主は、アパートの収益を見込んでローンを組んでいたり、生活の基盤にされています。
事故物件扱いになってしまうと、周辺相場よりも下げた家賃設定になったり、なかなか次の入居者が決まらなく空室状態が長く続くことが想定されます。
上記のような状態の損害賠償を「逸失利益としての損害賠償金」とされているのです。
室内で自殺が発生した物件の入居者募集時、貸主は新借主に対して説明義務を負う必要があります。
告知のタイミングは重要事項説明時に説明とありますが、実際は借主が物件を契約する前である物件紹介時や内見時には告知するケースがほとんどです。
この告知によって、賃料の減額、長期空室によって家賃収入に影響されるため、借主によって損害を被ることになったという背景から請求されることが多いです。
原状回復費用
一般的に賃貸物件を借りる場合、退去時には室内を元の状態に戻すことが原則になり、これが原状回復と呼ばれているものです。
この原状回復は、たとえ借主が室内で自殺をしたとしても同様に適用されます。
上記のような自殺による死亡の場合、時間が経ってしまっていると通常のクリーニングでは元の状態に戻すことができず、大掛かりな特殊清掃、リフォームが必要になるケースがあるのです。
未払いの賃料
入居中、未払いの賃料があった場合も貸主より請求される場合があります。
未払い賃料が請求される範囲ですが、「相続人が貸主に対して鍵を引き渡し、完全に部屋を退出する日」までの期間になります。
残置物撤去は相続人が行う
貸主は入居者の残置物を勝手に処分したり整理することはできません。これは故人の私物や残置物は、相続人に所有権があるためになります。
しかし、賃貸借契約の特約事項に、残置物処分に関する特記事項があったり、相続人が承諾をした場合は、貸主が処分できます。
貸主が処分した残置物の撤去費用は、相続人に請求されることがあります。
入居者以外が賃貸借契約の契約者の場合
賃貸借契約では、入居者=契約者、親族=連帯保証人として契約締結する場合が一般的です。
しかし、中には下記のケースで契約を締結する賃貸借契約もあります。
契約者 | 入居者 | 連帯保証人 |
本人 | 本人 | 親or子 |
親or子 | 本人 | その他の親族 |
入居者本人が家賃の支払い能力がないと判断した場合は、上記表のように入居者と契約者が同一ではない契約形態になります。
しかし、契約形態に関しては、物件の貸主や不動産管理会社によって考え方が異なるため、必ず上記形態を取るわけではありません。
事例1:進学のための子の一人暮らし
一人暮らしの中でもよくあるパターンが、大学などに進学のため上京し、一人暮らしをするという事例です。もちろん、子は学生のため自分自身で家賃の支払い能力があるとは考えることができません。
このような場合、支払い能力のある親が契約者になり、子はあくまで入居者、さらに連帯保証人は別の親族を立てた契約形態になることもあります。
事例2:遠方の親の一人暮らし
高齢の親と子世帯が離れて暮らしている核家族も近年ではよくある形です。
高齢者になるため年金生活を前提にしますが、この場合も家賃の支払い能力も含め、さまざまな視点から契約者や連帯保証人の契約形態を考慮します。
もちろん入居者が契約者とする場合も多くありますが、中には、子が契約者、入居者は高齢の親、連帯保証人は別の親族とするケースもよくある契約形態です。
入居者≠契約者でも損害賠償責任は生じる
上記2事例の場合、入居者は契約者ではないため、契約者が物件を借りるときに負う「善管注意義務」に該当しません。
しかし、この場合、入居者も契約者と同様の義務を負うことになるため、入居者の義務違反は契約者によるものと判断されるのです。
お子様や高齢の親が住んでいるアパートやマンションの契約形態が事例1や事例2の場合でも、契約者が損害賠償責任を負うことを理解しておきましょう。
また、上記の場合、相続放棄をしても、契約者としての損害賠償義務は残るため免れることはできません。
連帯保証人の責任
賃貸物件を借りる際、連帯保証人を1人立てる契約が一般的です。最近では保証会社も利用するケースも多く見受けられますが、中には保証会社と連帯保証人をどちらも利用した上で契約するパターンもあります。
ここでいう、連帯保証人の責任を今一度復習してみましょう。
連帯保証人と保証人の違い
連帯保証人は、借主の債務を連帯して保証する人を指します。例えば、借主が家賃を滞納した場合、連帯保証人が家賃支払いの債務を負い、借主が室内の設備を破損した場合、借主の代わりに修繕費の支払いが生じます。
賃貸借契約には物件によって、「連帯保証人」の場合と「保証人」の場合があります。これは不動産会社や貸主によって異なるので2つの違いも解説していきましょう。
連帯保証人は、上記のようなことが起きた場合、断ることができない立場にあります。一方、保証人は、断ることができる立場です。
2つは言葉こそ似ていますが、契約上、全く異なる立場になるため、契約形態を確認しておくことをおすすめします。
自死のあった部屋は通常のクリーニングでは原状回復できない
損害賠償責任の範囲には、原状回復も含まれています。中には遺族に任せる場合も多いでしょう。
自死のあった室内の場合、発見が遅くなるケース、自殺の場合は血痕が室内に広がっているケースもあり、通常のクリーニングでは元の状態に戻しきれない場合が多いです。そんな時に強い味方になってくれるのが特殊清掃業者の存在です。
ではどのような特殊清掃業者に依頼するべきなのでしょうか。
安さだけで判断はしないでください
個人業者、便利屋、格安清掃業者など、世の中には清掃に関する業者が非常に多いですよね。
どんな時に、どの業者を選んでお願いするべきなのか、費用はどの位なのか、清掃日数はどの位の期間になるのか、すぐにでも対応してくれるのかなど、ありとあらゆる疑問や不安がついてくることでしょう。
ここで、まずお伝えしたいのは、自死や孤独死のあった室内を通常のハウスクリーニング業者や便利屋、格安業者に依頼するのは避けていただきたいということです。なぜならば私たちのような専門業者と圧倒的な経験値の差と消臭力の差があるからです。
- 特殊清掃の実績が豊富
- 解体工事登録業者
- 確かな技術と知識を持ち合わせている
- 緊急時も臨機応変に対応
- 一般廃棄物収集運搬業許可取得
私たちSweepersでは孤独死、自死現場による特殊清掃実績とどのような室内でも原状回復を行う専門業者です。
親族が孤独死や自死をし、賃貸物件の原状回復を貸主から催促されていたり、すぐにでも対応が必要な際は、24時間365日お問い合わせ可能ですので、まずはご連絡ください。
特殊清掃の実績豊富
親族が孤独死、自死を遂げた際、ご遺族の代わりに、室内を全て原状回復致します。
特殊清掃は、個人業者や便利屋、ハウスクリーニング業者ができる程、簡単ではありません。
室内の状況によって、ご遺体から流れた体液が床に染み込むこともあります。これは通常のハウスクリーニングでは原状回復できず、特殊な技術で全て元の状態に復帰させます。
解体工事登録業者
状況によって解体が必要なケースもあります。特殊清掃の会社によっては、解体に必要な登録がなく、解体のみ外注というケースもよくある話です。
また、外注した解体業者が特殊清掃の知識が乏しい場合、完全に消臭ができず不完全に作業が完了するケースも少なくありません。
Sweepersは、解体工事登録業者なので、室内の特殊清掃に加え、万が一解体が必要な場合も全てワンストップで対応致します。
確かな技術と知識を持ち合わせている
特殊清掃の実績が乏しかったり、そもそも知識がゼロの業者では、見よう見まねで施工するケースもあります。
施工が不完全な状態で作業完了となるため、このような悪徳な業者に依頼されたご遺族様が私たちSweepersへご相談するケースも非常に多くなっています。
ご遺体が発見されるまで期間が長い場合、室内に害虫が発生する可能性もあります。Sweepersでは特殊清掃のほか、害虫駆除、ウィルス除菌消毒、家財整理など、どのような現場でも技術の共有と応用を行うことで原状回復を実現できます。
緊急時も臨機応変に対応
Sweepersは24時間365日お問い合わせに対応しています。急いで清掃に入る必要がある場合などに対応できるよう、最短で1時間で現地に向かい一時処理を施し、緊急パックサービスもご用意しております。お急ぎの際はお電話にてお問い合わせください。
まとめ
離れて暮らしている親族が賃貸物件内で自殺や自死を遂げると、深い悲しみを抱かれることと察します。
その悲しみの中でも、死因の原因によって、貸主から損害賠償を請求されることがあります。
私たちSweepersでは、確実に原状回復をするのは元より、お客様への気持ちに寄り添い、きめ細やかなサービスを心がけております。
孤独死、自死の清掃、原状回復についてのご相談はお電話にてご連絡ください。