ペットを飼う際には、ペットが死ぬまで責任を持って飼育することが重要です。
高齢者がペットを飼育する場合は、自身の死後のペットの飼育についても事前に考えておく必要があります。
ペットを飼育することは、高齢者の生活に癒しや生きがいを与えてくれる存在として重要な役割を果たします。うちの父も娘よりもかわいいと愛犬にベタぼれです(笑)
近年、高齢化社会や単身世帯増加の進展とともに増加しているのが「孤独死」です。
そして、孤独死によって置き去りにされるペットたちの悲劇も、昨今の社会問題となっています。
飼い主が亡くなった後、ペットはどうなるのでしょうか?
そして、悲劇を防ぐために、飼い主は何をすべきなのでしょうか?
今回の記事ではSweepersで実際に孤独死現場の清掃に携わった際に、ペットもともに亡くなってしまっていたことをきっかけに生前からペットのために飼い主ができる事をまとめてみようと思います。
目次
単身世帯の高齢者がペットを飼育している状況
単身世帯の高齢者がペットを飼育している割合は、調査機関や調査方法によって多少異なりますが、令和3年度高齢者白書によると、70歳以上の単身世帯で犬猫を飼育している割合は16.5%となっています。これは、全単身世帯の約2.3%に相当します。
内訳としては、犬を飼育している割合は8.9%、猫を飼育している割合は7.6%です。また、70歳代よりも80歳代の方がペット飼育率が高く、80歳代の単身世帯で犬猫を飼育している割合は20.2%となっています。
近年、高齢化社会の進展とともに単身世帯の高齢者が増加しており、ペットとの暮らしを選択する人が増えています。ペットは、高齢者の生活に癒しや生きがいを与えてくれる存在として重要な役割を果たしています。
参考資料
- 令和3年度高齢者白書: https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
- 2020年度犬猫飼育実態調査: https://petfood.or.jp/data/
- 単身高齢者とペット: https://www.ikiwaku.com/kurashi/%E7%8B%AC%E8%BA%AB%E3%81%AE%E3%82%B7
孤独死でペットが置き去りにされる現状
孤独死してしまった飼い主のペットが発見されるケースでは、残念ながら多くの場合、ペットは亡くなっているまたは極度の衰弱や餓死状態で発見されます。飼い主が亡くなったことで、餌や水がなくなり飢えてしまうことが原因です。
孤独死がおきてしまった現場で、ご遺体の確認のために入室した警察が瀕死状態のペットを発見しても残念ながら救出はしてくれません。
私たちが特殊清掃の為に入室して初めてご遺族が故人がペットを飼育していたのを知った・・なんてこともあるのです。
孤独死によるペットの悲劇の実例
- 2023年1月、東京都内のアパートで孤独死した男性の遺体が見つかり、一緒に暮らしていた猫2匹が餓死状態で見つかった。
- 2022年7月、大阪府内の住宅で孤独死した女性の遺体が見つかり、一緒に暮らしていた犬3匹が衰弱状態で見つかった。
- 2021年11月、埼玉県内のアパートで孤独死した男性の遺体が見つかり、一緒に暮らしていた小鳥2羽が死んでいるのが見つかった。
これらの例は、ほんの一例に過ぎません。孤独死によって、多くのペットたちがともに命を落としているのが現状です。
孤独死によってペットが受ける影響
孤独死によって飼い主を失ったペットは、以下のような影響を受けます。
- 栄養不足・脱水症状:飼い主が亡くなり、餌や水を与えられなくなることで、栄養不足や脱水症状に陥ります。
- 衰弱・病気:栄養不足やストレスによって、体力が衰え、病気を発症しやすくなります。
- 不安・恐怖:慣れ親しんだ飼い主を失い、不安や恐怖を感じ、精神的なストレスを抱えます。
- 新しい環境への適応:新しい飼い主や環境に適応できず、ストレスを抱えることがあります。
ペットの心理的な影響
孤独死によって飼い主を失ったペットは、深い悲しみや不安を感じます。慣れ親しんだ飼い主が突然いなくなり、餌や水を与えてもらえない状況は、ペットにとって大きなストレスとなります。また、里親の元に預けられたとしても新しい環境に慣れることができず、不安や恐怖を感じ続けストレスになることもあります。
悲劇を防ぐために飼い主がすべきこと
孤独死によってペットが悲劇的な状況に陥らないために、飼い主は以下の対策をすることが重要です。
生前に準備しておくこと
- ペットの情報まとめ:ペットの種類、年齢、性格、健康状態、アレルギーなどをまとめた資料を準備しておきましょう。ペットの母子手帳なんてものがあったので載せておきます。
https://item.rakuten.co.jp/cocosab/100112592/ - ペットのお世話をお願いする先を決める:家族、友人、ペットシッターなど、ペットのお世話をお願いできる先を複数確保しておきましょう。長期入院の際にも助かります!
- ペット信託の活用:ペット信託を利用することで、ペットの終生飼育に必要な費用を財団に託し、ペットの生活を保障することができます。ペットも家族の一員として大切にしたいですよね。
- 負担付遺贈:遺言書に、ペットを引き取ってくれる人に財産を譲ることを条件として記載することができます。この場合は事前に相手方の同意を得ておくといいです。
- ペットと離れる場合の心構え:もし自分がペットと離れ離れになった場合、ペットが安心して暮らせるように準備しておくことが重要です。
日頃から心掛けること
- 地域との繋がり:近所の人や地域コミュニティと交流を深め、ペットを飼育していることを知ってもらいながらペット同士の交流も踏まえ楽しく孤独死を防ぐ対策を講じましょう。
- ペットの健康管理:ペットの健康状態を定期的にチェックし、必要な予防接種や治療を受けさせましょう。
- ペットとのコミュニケーション:ペットとたくさん触れ合い、愛情を注ぎましょう。
飼い主自身の健康管理
ペットの世話をするためには、飼い主自身が健康であることがなによりも重要です。日頃から健康管理に気を配り、万が一病気や怪我をしてしまった場合は、早めに治療を受けましょう。
ペットシッターや動物愛護団体の活用
ペットのお世話をお願いできる先が見つからない場合は、ペットシッターや動物愛護団体の利用を検討しましょう。ペットシッターは、飼い主に代わってペットの餌やりや散歩などの世話をしてくれます。動物愛護団体は、ペットの保護や新しい飼い主への譲渡などの活動を行っています。長期入院の際はペットを預けるにもある程度まとまった費用が掛かってしまいます。事前に準備をしておくことも大切です。参考程度に我が家のトイプードルは1泊2食付きで預けた際6,500円でした。中々高額ですよね。
まとめ
高齢者がペットを飼育することは、多くのメリットがあります。
しかし、注意点も多く、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。
備えあれば患いなしですからね。飼い主不在でかわいい愛犬や、愛猫が悲しい最期を迎えないように今すぐできる対策を記事にさせていただきました。この記事が少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。