ご依頼経緯
お昼過ぎだったでしょうか。弊社HP を見てご家族様よりお電話とご依頼をいただきました。お話によるとご主人様が夜中から早朝に自殺をされたとのこと。家のなかが血だらけなので何とかしてほしいとのご相談でした。自死現場のため詳しい状況は電話では尋ねませんでしたが、血だらけという言葉から状況を想定し準備をし現場に急ぎました。作業開始時刻は日中の作業を終えてからだったため夜間になってしまいましたが、ご家族様はリビングで待機してくださっていました。
現場状況・作業
インターフォンを押し玄関を開けるとウサギのケージが3つ並んでいました。ウサギたちが“だれ?だれ??”と言わんばかりに私たちのほうに集まりケージからかわいい鼻先を押し付けています。その中のケージの一つが大きく上部が潰されており何か落としたのかな・・とさほど気にも留めることなく作業のメインとなる場所へ。ご家族様は早朝から救急や警察の対応でお疲れのようで作業が終わったら声をかけてほしい、作業場所はいけば分かると成人されたお子様方とリビングでお休みに。
玄関から血液をたどって進んでいくと自死に使用したとみられる刃物が3点、洗濯機や洗面台に。止血に使用したとみられる血液をたっぷり吸ったタオル、痛みにもがいたのか壁や床いたるところに付着した血で付いた手形。痛みに耐えきれず室内を動き回った形跡が・・。ご家族様が清掃するにはあまりにも故人の最期の様子が分かりすぎて辛い現場でしょう。
血液は時間が経つとゼリー状に凝固していきます。乾きかかっている血液を洗浄のために濡らすと再び血生臭い血液独特の臭うが漂ってくるものです。浴室内やクッションフロアの血液は落としやすいのですが、壁紙や廊下のフローリング、和室の畳に染みた血液を落とすのに少々時間を要しました。
玄関のほうに向かって洗浄を進めていくと先ほど私たちを出迎えてくれてウサギがまたこちらに寄ってきます。先ほどとは違い、廊下の電気をつけていたのでうさぎたちの顔もよく見えます。同時に茶色の模様だと思ったウサギが実は白だということも気づいてしまったのです。暗い玄関ではまだら模様だと思ったウサギの模様は故人の血液によって赤く染まっていたのです。さらに歪んだケージは故人が倒れた跡だと分かりました。ウサギのケージの糞や尿をキャッチする場所には血液が溜まっていました。
ご家族様は同居されているため、今日この後もこのご自宅で生活されます。ウサギがこの状態では故人を亡くした悲しみに加えさらに辛さが増してしまう事でしょう。一瞬悩みましたが、獣医をしている友人にアドバイスをもらいウサギを濡れたタオルで拭き血液を落とすことにしました。
突然のことにウサギももちろん嫌がりますし、私もウサギを拭く経験はなかったので作業時の写真なんてもちろんありません。そんな余裕はありませんでした。真っ白だったウサギは完全には白くなりませんでしたがもとよりは本来の色に近くなり、血液で固まった毛もほどけひとまず安心。作業開始時間が21:00と遅かったため作業完了時の写真を撮る余裕はありませんでしたが、血液は綺麗になくなり臭いも消し去ることができました。
作業内容
・血液洗浄(壁・床・巾木・天井・洗面台・トイレ・浴槽・廊下・和室・玄関・ウサギ小屋)
・消毒
・うさぎ清拭
・簡易オゾン消臭
ご依頼詳細
依頼者 ご親族様
作業場所 千葉県我孫子市
物件 戸建て住宅
作業料金 198,000円
作業日数 1日
※特殊清掃、消臭