ご依頼経緯
賃貸物件管理会社様からのご依頼。「生活保護を受給している方が物件内で亡くなってしまい、ご遺族様も相続放棄されています」とのこと。生活保護受給者の方に限った話ではありませんが、賃貸物件などで孤独死が起きてしまった場合、「特殊清掃費用」はその遺族に支払い義務が生じます。そのため、孤独死してしまった故人とそのご遺族様が疎遠になってしまっている場合、相続放棄してしまう方も少なくないのです。今回は大家さんのご負担にて作業をさせていただきました。
現場状況
室内には食べかけのお惣菜の残り物や、亡くなられた当日まで読んでいたであろう新聞が布団の片隅にあり、枕元にはお花が添えられていました。大家さんがたむけてくれたようです。死後日数も浅かったためか、体液量のわりに臭気もほぼ感じられません。感じられる臭気は高齢者独特の生活臭。所々に、常備薬が散乱しており持病もあったようですが、生前は愛煙家だったようで引き出しには吸いかけのタバコの箱に未開封の箱が数箱確認できました。室内にはヤニ汚れも目立ちます。
作業内容
発見が早く、それほどご遺体の腐敗も進んでいなかったため解体が必要なほどは体液が広がらず、幸い畳下部分は無事でした。今回はご遺族様も相続放棄されてしまっており、今後貸出予定はない物件、更に臭気もほぼ感じられなかったため、特殊清掃の必要はないとお伝えさせていただき消毒と家財整理のみでご提案させていただきました。
①ご遺体跡(体液が付着した物)の撤去、消毒 ②ご遺品の仕分け・撤去 ③簡易清掃
これらの作業を行いました。
作業完了
今回の物件は老朽化が進んでいるため今後は貸出予定がないとのことでしたので、畳やクロス(壁紙)の交換は行っておりません。ご遺品の搬出後に簡易清掃を行いました。高齢者の孤独死の大きな要因とされているのが家族や、周囲からの孤立だといわれています。孤立しているということは、もし「孤独死」がおきてしまった場合に発見が遅くなってしまう可能性が非常に高いといえます。発見が遅くなるにつれ、ご遺体の腐敗が進み状況が悪化してしまい、その分「特殊清掃費」も上がってしまいます。「孤独死」を未然に防ぐためにも周囲との関りを維持していくことが大切です。
作業詳細
依頼者 大家様
作業場所 東京都足立区
物件 木造賃貸1K
作業日数 1日
作業人数 2名