
今、このページを開いているあなたは、もしかすると人生で経験したことのない衝撃と、どうしようもない不安の中にいらっしゃるかもしれません。
まず、どうかご自身を責めないでください。そして、焦って無理に何かしようとしないでください。
私たちSweepersは、数多くの特殊清掃・遺品整理の現場で、ご遺族様の戸惑いや悲しみに寄り添ってきました。人が亡くなり、時間が経って変化していくことは、自然の摂理であり、決して忌避すべきことではありません。しかし、現代の住宅事情においては、それが衛生面や近隣トラブルといった「現実的な問題」を引き起こすことも事実です。
本記事では、ご遺体の腐敗という、普段は目を背けたくなるテーマについて、あえて正直に、そして実務的に解説します。なぜ腐敗が進むのか、部屋で何が起きているのか、そして今、あなたが最優先で何をすべきなのか。プロの視点で、順を追ってお話ししますので、まずは深呼吸をして、一つずつ確認していきましょう。決して、あなたは一人ではありません。
この記事を読んでほしい人
- 家族や知人が亡くなって発見が遅れ、警察の到着を待っている、あるいはこれから業者を探さなければならない方
- 室内に強い臭いや害虫が発生しており、どこまで自分で掃除できるのか、専門家に頼むべきか迷っている方
- 遠方に住む独居の親と連絡が取れず、「もし孤独死していたらどうしよう」と最悪のケースを想定して備えたい方
- 入居者が亡くなった際の手順や原状回復のリスクを知りたい、賃貸物件のオーナー様や管理会社様
- 隣の部屋から異臭がしており、「もしかして…」と不安を感じている近隣住民の方
目次
遺体の腐敗とは?現場で起きている変化の正体

まず、目を背けたくなる現実かもしれませんが、亡くなった方の体で何が起きているのか、そのメカニズムを正しく知ることから始めましょう。これを知ることは、ご自身の身を守るためにも重要です。
死後の変化には「順番」があります
ドラマや映画では描かれることがありませんが、人の体は亡くなった瞬間から、再び土に還るための活動を始めます。一般的には以下の順序で進みます。

- 体温の低下・死斑(しはん): 血液の循環が止まり、重力に従って血液が下がっていきます。
- 死後硬直: 筋肉が固まり始めます。
- 腐敗(分解): 体内の常在菌や酵素の働きにより、細胞が分解され始めます。
「腐敗」の段階に入ると、体内からガスが発生し、お体が膨らんだり、変色したりといった見た目の変化が現れます。これは故人様が苦しんでいるわけではなく、自然な変化ですのでご安心ください。
「腐敗」が進むと室内はどうなるのか
問題となるのは、上のような変化が、密閉された室内で起こっているということです。
体内で発生した腐敗ガスや、液状化した組織(体液)が体外へ出ると、次のような現象が起こります。

- 強い腐敗臭: 独特の甘ったるいような、強烈な臭いが充満します。これは換気程度では消えません。
- 体液の流出: 血液や脂肪分を含んだ体液が床、布団、畳などに染み込みます。
- 害虫の発生: 臭いに誘われてハエが集まり、短期間で爆発的に増殖します。
これらはすべて、「そこに故人様がいらっしゃった証」ではありますが、同時に「感染症リスク」や「建物の汚染」という現実的な課題でもあります。
遺体の腐敗スピードはどれくらい?季節や環境による違い

よく「発見が〇日遅れてしまったのですが、状態はどうでしょうか?」というご質問をいただきますが、実は「死後何日」という数字だけでは状態を判断することはできません。腐敗の進行速度は、環境によって劇的に変わるからです。
最大の要因は「温度」と「湿度」
遺体の腐敗を早める一番の要因は、温度です。
特に日本の夏場(6月〜9月)は非常に進行が早く、冷房をつけていない閉め切った部屋であれば、死後1〜2日でも著しい変化が見られることがあります。
逆に、冬場の冷え込んだ室内や、浴室(水に浸かっていない場合)など温度が低い場所では、進行が緩やかになる傾向があります。
「発見までの状況」で変わるリスク
「何日経ったか」よりも、「どんな環境だったか」が重要です。もし「夏場で数日経っている」「暖房がついていた」という場合は、迷わず専門家にご相談ください。
お風呂場(浴槽内)での発見
もっとも進行が早いケースの一つです。お湯の保温効果と湿気により、数時間〜1日で急激に変化が進み、処置が難しくなることが多いです。
布団やベッドの上
体液が寝具に吸収されるため、床へのダメージは一時的に抑えられることがありますが、マットレスを貫通して床下まで達していることも珍しくありません。
床暖房やこたつの使用
冬場であっても、暖房器具の近くや床暖房の上で亡くなられた場合、夏場以上に腐敗が早く進むことがあります。
臭い・害虫・体液…遺体の腐敗が及ぼす二次被害
ご遺族様にとって最も辛いのは、変わり果てたお部屋の状態を目にすることかもしれません。しかし、ここで無理をして入室してしまうと、二次被害に遭う可能性があります。
一般的な掃除では消えない「臭い」
遺体の腐敗に伴う臭気は、空気中に漂うだけでなく、壁紙、天井、衣類、カーテンなど、部屋中のあらゆる繊維や素材に吸着します。
市販の消臭スプレーや芳香剤を撒いても、臭いの元(汚染箇所)を完全に絶たなければ、数時間でまた臭いが戻ってきます。それどころか、香料と腐敗臭が混ざり合い、より不快な臭いになってしまうこともあります。
感染症のリスク
体液や汚染物には、目に見えない細菌やウイルスが含まれている可能性があります。
特に発見が遅れた現場では、空気が淀んでおり、不用意に吸い込むことでご自身の健康を害するリスクがあります。「少しだけだから」とマスクなしで入室するのは絶対に避けてください。
近隣への被害拡大
マンションやアパートの場合、最も怖いのが「階下への体液漏洩」と「近隣への異臭漏れ」です。
体液が床材を突き抜け、下の階の天井にシミを作ってしまったり、換気扇や玄関の隙間から臭いが漏れ出し、近隣住民からクレームが入ったりするケースです。 こうなると、単なる清掃だけでなく、リフォーム工事や損害賠償といった法的な問題に発展する可能性があります。
もし発見したら~現場での正しい手順

もし、あなたが第一発見者になった場合、あるいは警察から連絡を受けたら、パニックになるのは当然ですが、これだけは守ってほしい「鉄則」があります。
【鉄則】窓を開けない・換気扇を回さない
意外に思われるかもしれませんが、窓を開けて換気をするのはNGです。
その理由は2つあります。
- 近隣トラブルの防止: 窓を開けた瞬間、凝縮された臭気が一気に外へ漏れ出し、近所中が大騒ぎになります
- 害虫の侵入防止: 臭いを嗅ぎつけたハエが外からさらに侵入し、状況が悪化します。
辛いですが、窓は閉めたまま、まずは部屋の外へ出てください。
ステップ1:生死の確認と連絡
明らかに亡くなられている場合でも、まずは救急(119番)へ連絡するか、確信がある場合は警察(110番)へ連絡してください。
「事件性がないか」を確認するため、警察による現場検証が行われます。この間、ご遺族様であっても入室は制限されます。
ステップ2:警察の搬送と現場保全
警察がご遺体を搬送した後も、部屋にはまだ入らないでください。
「大切な人の部屋だから、早く片付けてあげたい」というお気持ちは痛いほど分かりますが、汚染された現場にご遺族様が立ち入ることは、精神的なトラウマ(PTSD)の原因となることが非常に多いのです。
貴重品の捜索が必要な場合でも、まずは特殊清掃業者に依頼し、安全を確保してから行うのが賢明です。
ステップ3:大家さん・管理会社への連絡(賃貸の場合)
賃貸物件の場合は、速やかに管理会社へ連絡を入れます。
「怒られるのではないか」「高額請求されるのではないか」と怖くなるかもしれませんが、隠していても臭いで必ず発覚します。早めに報告し、「現在、専門業者を手配中です」と伝えることが、誠意ある対応として評価されます。
遺体の腐敗現場は自分で掃除できる?特殊清掃の役割と費用

「費用を抑えたいから、自分たちで掃除できないか」と考える方もいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、遺体の腐敗が進み、体液が流出している現場の自力清掃は不可能であり、おすすめしません。
なぜプロの「特殊清掃」が必要なのか
私たちSweepersが行う「特殊清掃」は、単なるお掃除ではありません。

- 1. 汚染物の完全撤去: 体液が染み込んだ畳、フローリング、断熱材を、感染症対策を行いながら解体・撤去します。
- 2. 完全消臭: オゾン脱臭機などの専用機材と、特殊な薬剤を使い、壁や天井に染み付いた臭いを分子レベルで分解します。
- 3. 原状回復: 汚染部分を取り除いた後、リフォームができる状態まで戻します。
表面だけを拭き取っても、床下の基礎部分に体液が残っていれば、臭いは永遠に消えません。この「見えない部分の処理」こそが、プロの仕事です。
費用の目安とその根拠
「いくらかかるか分からない」というご不安な方のために、費用の目安と、その根拠を正直にお伝えします。
特殊清掃の現場は一つとして同じものがなく、お電話だけで「〇〇円です」と即答できないのが心苦しいところです。ですが、費用の「決まり方」には明確な基準があります。私たちSweepersでは、以下の3つの要素を組み合わせて総額を算出しています。
汚染の深さと広がり(解体の有無)
体液がフローリングの表面だけで止まっているか、それとも床下の基礎部分まで達しているか。これによって、解体工事の範囲が変わります。
残置物の量(遺品整理)
お部屋にある家財道具の撤去や処分(遺品整理)もあわせて行うかどうかで、トラックの台数や作業人数が変わります。
消臭の難易度(オゾン脱臭)
建物の構造や臭気の強さによって、専用の「オゾン脱臭機」を何日間稼働させる必要があるかが変わります。
以上をもとに、Sweepersは「一式〇〇円」というドンブリ勘定ではなく、必要な作業を積み上げる項目別料金を採用しています。
【初期対応のみ】(清掃・消毒・消臭)
「まずは入室できるようにしてほしい」「臭いを消してほしい」という場合です。
体液除去(40,000円〜)やオゾン脱臭(50,000円〜)などの基本作業を合わせ、**約10万円〜30万円程度が目安となります。
【完全復旧】(+遺品整理・解体・リフォーム)
家財の撤去や、汚染された床の解体・復旧工事まで含める場合です。
お部屋の広さや家財の量によりますが、総額で数十万円〜100万円前後となるケースが多いです。
「保険」で負担を減らせるかもしれません
「そんな大金、急に用意できない」と諦める前に、一度ご相談ください。
Sweepersでは、故人様が加入されていた「孤独死保険(少額短期保険)」や、お部屋の「火災保険(特約)」が適用できるかどうかの確認を無料でサポートしています。
保険適用により、ご遺族様の実質負担が大幅に軽減された事例も多数ございます。まずはプロの視点で、使える制度がないか一緒に探しましょう。
原状回復と今後~Sweepersが大切にしている「心の整理」

物理的なお掃除が終わっても、ご遺族様の心の整理がつかないことは多々あります。
特に、「発見が遅れてしまった」「もっと連絡を取っていれば」という後悔に苛まれる方は少なくありません。
私たちSweepersは、ただ部屋を綺麗にするだけの業者ではありません。
故人様が生きた証である「遺品」を丁寧に仕分け、貴重品や思い出の品をご遺族様にお渡しすること。そして、悲惨な現場の痕跡を完全に消し去り、ご遺族様が故人様との良い思い出だけを胸に、前を向けるようサポートすること。
それが、私たちの使命だと考えています。
ご遺体の腐敗という現実は、あまりにも重いです。だからこそ、その重荷を私たちプロに預けてください。
ご近所への配慮、大家さんとの交渉、そして何より、故人様への最後の手向けとして、責任を持って対応させていただきます。
【まとめ】一人で抱え込まず、まずはご相談ください
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、要点をもう一度整理します。
- ご遺体の腐敗は自然現象ですが、閉め切った室内では衛生的な危険(二次被害)が生じます。
- 発見したら、窓を開けずに警察へ連絡し、ご自身は室外へ避難してください。
- 臭いや体液がある場合、自力での清掃は危険です。二次被害を防ぐためにも、入室せずに専門家を呼んでください。
- 費用や原状回復の不安も、まずは見積もりと相談から解決策が見つかります。
Sweepersは、24時間365日、ご相談を受け付けています。電話口で「何から話せばいいか分からない」という状態でも構いません。「サイトを見た」と言っていただければ、私たちが一つひとつ、必要なことを質問して状況を整理します。
あなたが一日も早く、日常の安らぎを取り戻せるよう、私たちが全力でサポートします。
まずは一本、お電話ください。


2026.1.26



