ご依頼経緯
不動産会社様からのご依頼です。「賃貸物件にて孤独死が発生してしまい、和室部分の特殊清掃と部屋全体のご遺品整理をお願いしたい。身寄りがないため作業代金などはどのようにしたらいいのか」とのこと。今回の管理会社では孤独死がおきてしまったのが始めてとのことで、作業の内容や費用負担について細かくご説明させていただきました。今回の物件は、今後も貸し出しされる予定の為、完全消臭をご希望。さらに原状回復までお願いしたいとのことでご依頼を承りました。
現場状況
室内は広めの3DK。大きな窓があり明るい印象のお部屋です。
いつも就寝されていたであろう和室に横たわるようにご遺体跡が残っていました。「腐敗臭」の基本的な要因は現場に残された体液なのですが、「死後日数」が長いからといって必ずしも臭気が強いわけではありません。その方(故人)が瘦せ型だったか肥満型だったのか、もしくは食生活や病気の有無などの様々な要因で変化します。こちらの現場は、ほぼ臭気を感じなく体液も広範囲に広がっていない状態でした。
生前はよく小説を愛読されていたようで、棚には本類がぎっしりと詰まっていました。また、家族写真やアルバムなどの思い出深い品もあり、最後まで大切な物に囲まれていたのだと感じました。
作業内容
今回はご遺品整理の後、畳の交換までご依頼いただきました。
- ご遺品整理…貴重品や不用品(可燃物、家電などの不燃物)の仕分け・搬出→
- ご遺体跡の清掃・撤去…体液が付着した衣類や畳の梱包・搬出→
- 簡易清掃・消臭…全室クリーニング、オゾン燻蒸にて消臭作業
作業完了
現場での全ての工程が完了し、無事にお引渡しすることができました。
今回の作業は大家さんでもある管理会社のご負担で身寄りのない故人様のご遺品整理を行いました。
今、高齢者の賃貸物件の貸し渋りが社会問題となっております。
万が一管理物件内で孤独死がおきてしまった場合の費用負担のリスクがあるからでしょう。
今回の件をきっかけに少額保険の検討も必要ですねとお話されていました。
「好きなものに囲まれながら暮らす」ことは誰しもが一度は憧れることでしょう。孤独死と言われる最期だったのかもしれませんが、好きなものに囲まれながら、ご近所の人と交流し決して孤独ではなっかたはずの故人様。最期のその時まで自分らしく生きられたことは孤独だったのでしょうか・・。
孤独死は決して他人事ではなく、年齢にも関係なく誰にでも起こり得る事だという認識を広め、それに向けた対策法を知っていくことも大切です。